出版社内容情報
幼児教育の分野で世界的に著名で、今も影響力をもつマリア・モンテッソーリ。だが、業績への実践的な関心による取組みが多く、教育思想の形成過程の解明は未だしの状況である。19~20世紀のイタリアの社会的背景(地域、階層、性の差などの知的・制度的実態等)と、影響を与えた学問・思想との関連(イタール、セガンの生理学/障害児治療教育、ロンブローゾらの人類学、女性解放思想の広がり等)を探る中で、彼女の「知的生命」の援助という理念の形成過程を明らかにし、「子どもの家」の実践で深められた思想と方法の特質を示す。教育思想のルーツを知り、又、子どもの生命力あふれる知性の形成のあり方を考えるために。
序論 モンテッソーリ研究の現状と本研究の課題
第一章 一九世紀イタリアにおける知的教育の問題
第一節 教育制度と子どもの実態
第二節 学校教育における知的教育の実態
第二章 モンテッソーリ教育思想の基礎
第一節 医学研究と知的障害児治療教育研究
第二節 人類学と科学的教育学
第三節 女性解放思想と社会主義思想の広がり
第四節 「子どもの家」の誕生と普及
第三章 「生命の援助」と知的教育
第一節 観察の独自性と「子どもの発見」
第二節 自発的活動と知的教育
第三節 活動と社会性の形成
終章
あとがき
参考文献
索引
内容説明
子どもの生命力の発展を援助しつつ、知的教育を充実させる方法を模索した、幼児教育の重鎮モンテッソーリ。彼女の思想の形成過程を歴史的社会的状況、学問・思想状況―医学、人類学、女性解放思想etc.―から検証し、独自性を示す。
目次
序論 モンテッソーリ研究の現状と本研究の課題
第1章 一九世紀イタリアにおける知的教育の問題(教育制度と子どもの実態;学校教育における知的教育の実態)
第2章 モンテッソーリ教育思想の基礎(医学研究と知的障害児治療教育研究;人類学と科学的教育学;女性解放思想と社会主義思想の広がり;「子どもの家」の誕生と普及)
第3章 「生命の援助」と知的教育(観察の独自性と「子どもの発見」;自発的活動と知的教育;活動と社会性の形成)
著者等紹介
早田由美子[ハヤタユミコ]
1957年神戸市生まれ。お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科修了(学術博士)。現在、夙川学院短期大学助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。