出版社内容情報
私から見た世界と他人の見た世界とは違っているだろう。本書は、私と他人の織りなす世界を人称的世界と呼び、それを倫理の基礎に据える。
もっともこの考え方をとる倫理学者は少数派に属する。多数派の倫理学者は、倫理を社会に普遍的に妥当する規範と捉えている。この立場からは私と他人の実存論的な差異は見えてこない。しかしこの差異の解明こそ哲学の課題であると著者は考えている。ではその世界はどんな構造をしているのだろう。
関連書:著者共訳、ヘア 『道徳の言語』
序説
1 哲学について
2 科学と哲学
3 科学と倫理
4 無能原理と愛
5 本書の概要
第一章 世界の構造
1 世界の二つの見方
2 連続量と非連続量
3 空間と時間
4 時間における「順序」
5 言葉と数
6 物体と幾何学
7 デカルト
8 ロックとカント──構成された空間と時間
9 再び、世界の見方について
第二章 循環する時間
1 万物、流転す
2 知覚という運動
3 時制と私
4 同時性
5 老いていくこと
第三章 倫理的行為
1 社会規範としての倫理
2 私のパースペクティヴ
3 他人の霊魂
4 無能原理
5 超越的価値と想起
6 エロース
7 アガペー
注
あとがき
文献
人名索引・事項索引
内容説明
私と他人は全く違った存在の仕方をしている。人称的世界とは私と他人の織りなす世界である。その構造を解明して倫理の基礎に据える。
目次
第1章 世界の構造(世界の二つの見方;連続量と非連続量;空間と時間 ほか)
第2章 循環する時間(万物、流転す;知覚という運動;時制と私 ほか)
第3章 倫理的行為(社会規範としての倫理;私のパースペクティヴ;他人の霊魂 ほか)
著者等紹介
大久保正健[オオクボマサタケ]
1948年東京に生まれる。1979年慶応義塾大学大学院文学研究科倫理学専攻博士課程単位取得退学。杉野服飾大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。