内容説明
カント倫理学の核心を抉る、哲学者・中島義道の真骨頂。
目次
第1章 自然本性としての自己愛(カント倫理学を支える信念;「幸福の原理」 ほか)
第2章 道徳法則と「誠実性の原理」(道徳法則の形式性;道徳法則に対する尊敬 ほか)
第3章 自由による因果性(責任論的解釈;実在論的解釈 ほか)
第4章 悪への自由・悪からの自由(悪へ向かう性癖;性癖からの自由 ほか)
附録 カントとラカン
著者等紹介
中島義道[ナカジマヨシミチ]
1946年福岡県に生まれる。1977年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。1983年ウィーン大学大学院基礎総合学部修了。哲学博士。現在、哲学塾カント主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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eirianda
13
難しい…。他にも著者の本があるので、読んでみる。悪であることと常に葛藤し、道徳的であろうとするのは大前提なのか。そういう意味での『悪への自由』なのか。それはもう、誠実に生きる、なんてとんでもない土台無理な態度じゃないか(私凡人なので)。これはしんどい生き方だが、やはり限界状況に置かれてから心に沁みそう。2017/10/27
菫
6
カント倫理学をある程度知っている者向けに書かれているので、哲学や倫理学をかじったとも言えないほどほんの表面しか知らないわたしには、難しくて、メモをとりながら読まなければ頭からすり抜けていくようだったし、一時間に数十ページほどしか読めなかった。わからないところは多々あり、わかったつもりのところも本当にわかっているのか自信はないけれど、おもしろかった。まだ学びたい。2013/07/23
うえ
2
カント倫理学には法的概念を転用したものが多いという。「悪の根拠は、自然衝動すなわち傾向性そのもののうちにはない。それは人間がその傾向性をいかに扱うかのうちにある。すなわち…幸福の原理を「誠実性の原理」より優先する格律を採用することによる。それをカントは「転倒」と呼ぶ。…われわれ人間における悪の根拠は、道徳法則をいっさい投げ打って徹底的に自己愛のみを求めることではない。そうではなくて、あくまでも幸福の原理を第一にし、それを妨げない限りで第二に誠実性の原理に従う、という転倒した格律を採用することなのである」2025/03/24
Oki
1
AIに聞くと、『カントは「偽証すべきでない」という命題について、たとえナチスのゲシュタポから「ユダヤ人が逃げ込んだか?」と尋ねられ、偽証しなければ理不尽な悪(ディストピア)が生じると確信していても、「嘘をついてはいけない」(偽証してはいけない)と主張します。理由は、嘘をついて良い例外を一つでも認めてしまえば、それは普遍的な道徳法則(定言命法)ではなくなるからです。....』と答えるが、ここのところがやはりしっくりこない。2025/08/30
naka
1
第3章の自由による因果性の話が面白かったです。カントが自然必然性を認めたうえで自由を確保しようとする際に、可想界と可感界の2世界説を用いて、前者の後者への影響の結果としての行為という説明を行いますが、結局その影響とは可感界においてのみ成立する因果ではないかと疑問に思っていました。本章ではこれを、可感界の行為は可想界の出来事の現象であるという形で解釈していてなるほどとなりました。また、根源的な現在という考え方を持ち出し、現在を境に、過去では自然因果が成立、未来は自由に開かれているという解釈も行っており、2024/03/31
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