出版社内容情報
草稿などの分析を通じて従来周縁的と見られてきた「伝達」概念に着目し、フッサールの他者論の全体像を再構成。倫理学へと架橋する。
フッサールの他者論と倫理学には一見断絶があるように見えるが、それは『論理学研究』において、「伝達」が考察の枠外に置かれたことに端を発する。本書では草稿の分析から、『論研』の改版計画を境として「伝達」概念が重視されるようになったことを析出。両者の断絶の原因を探り、他者論をつきつめることでそれを埋める方途を探る。
目次
間主観性の現象学への新たなアプローチ
1 フッサールの他者論と倫理学の断絶の原因(『論理学研究』第一版における「独白」概念;『論理学研究』の書き換え以前の倫理学の構想;『論理学研究』の書き換え以前の他者論の構想)
2 フッサールの他者論の展開とその到達点(『論理学研究』の書き換え計画における「伝達」概念;他者経験の理論の展開;他者経験の理論の到達点)
フッサールの他者論と倫理学を架橋する
著者等紹介
鈴木崇志[スズキタカシ]
1988年新潟県に生まれる。2018年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、立命館大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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