時間様相の形而上学―現在・過去・未来とは何か

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  • サイズ A5判/ページ数 266,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326101931
  • NDC分類 112
  • Cコード C3010

内容説明

過去はなぜ変えられないのか。現在は瞬間なのか。現在から過去への移行はなぜ目撃できないのか。物と出来事の存在論と関連づけることで、この三つの問いを徹底的に探究する。

目次

三つの課題と線イメージの限界
1 過去の出現と現在の出現
2 出来事論
3 未来と決定論
4 原型的“現在”と現実性
5 歴史的考察

著者等紹介

伊佐敷隆弘[イサシキタカヒロ]
1956年鹿児島県に生まれる。1991年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、宮崎大学教育文化学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yo

9
哲学の中の「時間論」に該当するもの。「過去が確定しているとはどういうことか」「現在から過去への移行が目撃不可能なのはなぜか」「現在は瞬間なのか、幅を持つか」の3点を主題とする。(哲学のクセに)ここまでわかりやすく検討できているのは素直にすごいことだと思う。時間の概念を説明する際に「時間の線イメージや円環イメージ」を前提とするのは良くない。これはあくまで比喩でしかないから」と言い切る勇気もなかなか。「時間とはなにか」という哲学的問いに関心があれば、本書を手に取って損はしないはずだ。2018/01/16

T.Y.

8
現実での著者の言葉の明晰さに惹かれて。時間を線イメージで捉えることの難点を指摘し、「現在から過去への移行はなぜ目撃できないのか」といった問題に挑む。出来事が完了した時点で「出来事個体」が出現し、それによって過去が成立する。また出来事個体の変化不可能性ゆえに過去は確定している。それ以前の現在は「非測定的現在」である…こうした持論を先に述べ、先人の説との対決が後に来る構成。論は明晰かつ形式論理に陥らない具体的なもので、実に納得できる。欠点は明晰すぎて全体も各章も最初のまとめだけ読めば済んでしまうことか。2017/11/26

田蛙澄

1
過去を出来事が成立することによって確定するものであり、単なる瞬間時点的な現在の以前であるという拒否することで、時間的パースペクティヴという幅をもちつつ時間は経過しているが未だ過去化していない現在という現在概念を構築し、また未来を論理的、因果的決定論の論駁により未確定なものとして確保し、歴史的永遠回帰と時間的永遠回帰の検討から直線、円環の線的な時間観念を拒否して原型的現在を導いていて、とても得心がいった。虚構の細部不確定と反実仮想の変更明示の違いや現実性から可能性、偶然・必然性の階層性も興味深かった。2019/04/22

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