内容説明
エンディングノートや遺言書を書いたり、葬儀やお墓の準備をしたりするだけではない「終活」。自分らしい終末を迎えるために、いま何ができ、どのように生きるか。様々な立場で「いのち」に向き合ってきた執筆陣が、幅広い視点から終活を考察する。
目次
第1章 終活、それは幸せで満足ある死を迎えるために行う
第2章 自分らしい老後と最期の準備―おひとりさまの終活
第3章 死生観なき時代の死の受容―スピリチュアルケアとしての先祖祭祀から自然・墓友へ
第4章 終末期の医療について―揺れる家族と当事者のこころ
第5章 自己決定・事前指示を再考する
第6章 自分らしく死ぬことができる地域をつくる―臨床医から見た可能性
第7章 日本人の死生観と来世観―文化的特徴と歴史的な変化
著者等紹介
浅見昇吾[アサミショウゴ]
上智大学外国語学部ドイツ語学科教授、上智大学生命倫理研究所所員、上智大学グリーフケア研究所所員。日本医学哲学・倫理学会理事。1962年生まれ。慶應義塾大学卒。ベルリン・フンボルト大学留学を経て2004年より上智大学外国語学部に赴任。外国人が取得できる最高のドイツ語の資格・大ディプローム(GDS)を持つ数少ない一人。専門は、生命倫理、ドイツ現代哲学。ドイツ現代哲学の知識を背景に生命倫理の諸問題と取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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不識庵
4
まだ30代半ばで「終活」の大切さを唱えている知人がいる。後に残される人の手間を省くことが望ましいと言う。知人はファイナンシャルプランナーである。有識者の知見からも「終活」を見ているのだろう。さて本書では、三章の「死生観なき時代の死の受容」がたいへん興味深かかった。墓じまいなどという言葉が飛び交う時代である。死んだら子孫に弔われて供養されるという死の受容が機能不全に陥り、樹木層のお隣どうしのような墓友が台頭してきた。墓友が死の恐怖と向き合うスピリチユアルケアの役目を果たしているという。時代は変わりつつある。2024/02/10
田中峰和
2
自分らしい終末を迎えるために、どのように生きるか。社会の変容によって、核家族化が進み、三世代同居など激減し、高齢者の自立が求められるようになった。ひと昔前のように子ども世代と同居していれば、葬儀やお墓の準備は本人が心配しなくてもよかった。だが、年に一度程度あるいはそれ以下しか会えない親子関係では、貯蓄や不動産など書面で残さなければ安心できないのが現状。エンディングノートや遺言書が書ける間に残す必要がある。認知症が進めば、改善する可能性はない。手遅れになる前に、家族が準備しておくのが重要である。2022/03/20
Woody
0
終活とあるが、要は今何をすべきで、どのように生きるかを説いている。分かり易く、読み易い。42018/03/02