内容説明
後世に多大な影響を与えた教父アウグスティヌス。その教育思想と実践的方法論を網羅的に解明する名著、本邦初訳出。人間形成の原点を指し示し、西洋教育史に風穴を開ける書。
目次
第1章 教師の自己教育
第2章 聖アウグスティヌス思想の原理
第3章 心理学的諸相
第4章 知性と真理探究
第5章 教師の技
第6章 言語コミュニケーションの問題
第7章 キリスト信者の教師の養成
第8章 自由学芸概念の発展
第9章 聖アウグスティヌスの教育史的影響
著者等紹介
増渕幸男[マスブチユキオ]
1945年生まれ。日本女子大学教授、東北大学教授、上智大学教授を経て、上智大学名誉教授。教育学博士(慶應義塾大学)
神門しのぶ[ゴトウシノブ]
1965年生まれ。上智大学非常勤講師。博士(教育学)(上智大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
8
「彼は、修辞法を実際には直接知らないのに、それを学んだ多くの人たちよりも雄弁な弁論家が多くいると記している。人前で話すことにおいては、生来の才能が役目を果たしてくれるので、理論は進歩を助けるために用いられればよい。しかし、実際に演説している弁論家を観察することは必須である…理論の役割は二次的なものであるということをアウグスティヌスはとくに強調している。なぜなら、彼は成人の学習のことを考えているからである…修辞学の教師でもあり生徒でもあった彼は、熟慮の結果、理論はなくても済まされうると述べている」2019/01/13