出版社内容情報
【下巻】目次◇
はしがき
監修者および企画・執筆者一覧
利用の手引き
第1章◇不動産担保の差入意思確認等を怠ったケース
1 担保差入人から担保差入意思の否認を受けた…
2 本人を詐称する替玉を本人と信じ、この替玉を相手に根抵当権設定契約を締結したところ、後日になって本人から根抵当権の無効を主張された…
3 担保差入意思の確認が不十分であったため、後日、担保差入人から担保差入意思を否認され、債権回収が困難になった…
4 複数担保提供者のうち、1人の担保提供意思確認方法を誤ったために担保権実行に支障をきたした…
5 担保差入人から、被担保債権は特定債権で根担保ではなかったとの抗弁を受けた…
6 抵当権の設定にあたり、利益相反取引(商法265条)の確認を軽視し、後でその無効を主張された…
7 抵当権の設定にあたり、取締役会決議(商法260条)の確認を軽視して、後でその無効を主張された…
8 所有権移転が1年間に8回というアブノーマルな担保物件の取入謝絶、融資見合せに時間を要し、金融機関として不利を蒙った…
9 甲区欄の仮差押登記を見落として担保権を設定してしまった…
10 取引先の業績が悪化し、自己査定において正常先から要注意先へ変更したにもかかわらず、担保価値の把握が甘いまま保全条件の見直しを行い、追加策を講じなかった…
11 不動産担保設定用の白地の委任状を徴求し担保を設定したが、担保処分の段階で、担保差入意思を否認された…
第2章◇不動産担保の目的物件の確認を怠ったケース
12 法定地上権が成立するものとして担保不動産の価値を評価したが実は成立要件を満たしていなかった…
13 債務者に担保物件として案内された土地は別の物件で、担保として設定した物件は処分が不可能な物件であったため、保証人から保証免責を主張された…
14 増築登記のされていない建物に抵当権を設定したところ、増築部分がさらに改築され、独立の建物として登記されていた…
15 不動産担保物件に瑕疵(袋地)があり、処分が制限された。また、遠隔地所在物件/地境不分明/遠隔地の延滞債権の現状、調査が不十分だったため、債務者、担保提供者ともすでに死亡しており、正当な権利者の特定に手間どっている…
16 処分のむずかしい物件(筆界未定地)を担保にとったため、債権償却ができなかった…
17 倒産後、追加担保の徴求を焦り、結果的に債権償却を遅らせた…
18 隣接する2棟の工場に根抵当権の設定を受けていたところ、その
後、中間の部分が増築され、合体により1棟の工場になった…
19 建物の保存登記が不可能と判断、担保取得しないまま融資した。倒産後に第三者が保存登記したことで、競売価額が下落した…
20 地主の承諾を取り付けて借地上の建物だけを徴担していたが、地主に承諾書無効を申し立てられ、地代支払滞りもあって借地権が消滅、建物の取毀し収去請求を受けた…
21 地主の承諾書を取り付けずに借地上の建物だけを徴担していたが、地代支払が滞っていた事実を看過し借地権契約が消滅したため、担保処分が著しく困難となった…
第3章◇不動産担保の物件評価に問題があったケース
22 不動産を担保にとる際、相手方依頼不動産鑑定士作成の鑑定書のみに依存して担保価額判定をしたところ、本部で再調査の結果価値が大幅に不足していた…
23 同価値の不動産担保取得と引替えに預金担保を解放したが、処分に時間がかかっているうちに不動産の価値が下落、結果的にロスが発生した…
24 いわゆる「豪邸」を担保にとったところ、処分にあたって価値が大幅に下落した…
25 商業地域の賃貸ビルを、土地について取引事例比較法、建物につき原価法で評価していたところ、実際の処分時は収益還元法による評価をされたため、処分価額が減価した…
26 不動産担保の評価が不適切で、結果的に保全バランスの把握を誤り、担保処分後に大幅なロスが発生した…
27 温泉旅館の土地設備一式を再調達価格ベースに温泉権を加味して評価していたが、担保物件処分に際して、事業採算ベースに基づく現在価値で評価され、処分見込価格が大幅に減価した…
第4章◇不動産担保取得後の管理に問題があったケース
28 土地区画整理事業地内の保留地の担保取得を行う際、整理事業の進捗状況、および債務者の業況把握を怠ったため、担保権設定登記が、滞納処分の法定納付期限に劣後することになった…
29 根抵当権の登記を留保中のところ、債務者が突然民事再生手続の申立てを行い、貸出金の回収不能が発生した…
30 根抵当権の登記を留保していたところ、債務者兼担保提供者が突然死亡し、相続人が限定承認した…
31 抵当権を登記留保扱いとしていたが、差入れを受けていた設定者の登記委任状についての設定者の印鑑証明書の有効期限切れが判明、更新の交渉が難航している…
32 更地を担保取得していたところ、勝手に建物を新築され、市中金融の担保となった…
33 抵当権設定時、上物については取崩し予定のため入担しなかったところ、他行が第1順位に入担してしまった…
34 更地に根抵当権を設定していたところ、後順位設定権者、無担保権者が抵当権侵害の目的でプレハブの建物を建てて、暴力団風の者がときどき見回りにくるようになった…
35 不動産担保物件に短期賃借権を付けられ、処分に際し著しく不利になった…
36 転抵当権設定後に原抵当権の被担保債権が譲渡された…
37 別除権としての担保処分が未了のうちに債務者の破産手続が終結し、担保からの回収不能見込額につき破産配当を受ける機会を逃した…
38 後順位抵当権者から担保保存義務違反を問われた…
39 根抵当権の確定登記委任状を徴求していなかったため、保証協会の代弁請求に際して問題となった…
第5章◇預金担保および商業手形担保に絡むトラブルがあったケース
40 再発行された定期預金証書を担保に貸出実行後、本来の預金証書所持人から預金担保借入れ意思を否認された…
41 僚店の総合口座通帳と届出印鑑の所持人からの申出により、普通預金残高全額と貸越極度額いっぱいの貸越をしたところ、後に通帳・印鑑の紛失届があり、その支払について銀行に過失があると抗議された…
42 第三者名義の預金を担保とした貸付に係る期日延長と期日管理につき、クレームがつけられた。◇ 社会福祉法人が預金担保貸付を反復利用していたが、理事長の補助金横領事件に巻き込まれ、延滞貸出となっている…
43 倒産直前に担保の差替えを行い、ほどなく相手方が破産の申立てをしたため、後日、破産管財人から担保の否認を受けた…
44 形式的に裏書の連続のない手形を割り引き、「裏書不備」で不渡りとなった…
45 担保手形を代位弁済者に交付するに際し、無担保裏書の表示を忘れた…
46 少額・多数の商業手形を担保にし、取立金はそのつど貸金の返済にあてず、相当金額に達するまで別段預金(貸付係口)に留保していたところ、他の預金とともにその別段預金も差押えの対象とされた…
第6章◇有価証券担保、その他担保に絡むトラブルがあったケース
47 出来高の少ない店頭登録株式を担保にとり、いざ換価しようとしても処分が困難で価格が予想外に下落してしまった…
48 代理受領の方式で担保にとっていたところ、第三債務者からの相殺、他の債権者からの差押えにより担保価値を失った…
49 債務者の倉庫等にある製品や原材料を譲渡担保にとっていたところ、仕入先による引揚げ等があったため、在庫にめぼしい製品等が見当たらず、倒産後に担保の価値がなくなってしまった…
50 提携ローンでサラリーマンの給料や退職金を引当て(振込指定)にして融資していたところ、その従業員が過剰債務から自己破産の申立てをし、振り込まれた退職金で回収しようとしたところ、破産管財人から否認するといってきた。◇ また、医者等が自己破産になった場合は、振込指定を受けていた診療報酬債権を譲渡担保にとることが詐害行為に当たるのか?…
51 債権譲渡担保の予約を締結していたが、債務者が破綻したため、急遽予約を完結させ、第三債務者へ債権譲渡の旨を通知したところ、破産管財人から対抗要件の否認を受けた…
52 多数の割賦債権を集合債権担保として取得し、内容については毎年3月時点で修正することとして、その旨の登記もすませていたが、債務者の倒産に伴い対象債権の内容を検証したところ、登記時点と大幅に内容が変わっていた…
53 多数の割賦債権を集合債権譲渡担保として取得し、毎年3月末に債権の明細を修正していくこととして登記もすんでいたが、債権者倒産に伴い対象債権の内容を検証したところ、登記時点と内容が大幅に変わっていた…
54 債務者会社の代表権のない会長で地元の有力者である人物から担保取得していた上場会社発行社債を処分しようとしていた矢先に、会長から社債の返還請求を受けて処分が見送り状態となった…
第7章◇保証に絡むトラブルがあったケース
55 長男が父親の印鑑と印鑑証明書を無断で使って保証契約を締結したといって、保証の否認をした…
56 地元の有力者である地方議会議員の保証であるため、保証履行が難航した…
57 保証について、利益相反取引(商法265条)であることを理由に無効を主張された…
58 親会社からの保証について、親会社の取締役会の決議(商法260条2項)がなかったことを理由に、保証の無効が主張された…
59 共同保証について、保証人が自己の負担部分(分別の利益)を主張した…
60 債務者の死亡後、法定相続人全員が相続放棄したことによって、死亡保険金等相続人の固有財産に対する請求権を喪失した…
61 有力な親会社の経営指導念書に基づき責任の履行を求めたが、法的責任はないと拒絶された…
62 根保証書を差し入れた保証人から、自己の保証したのは特定債務の保証であって、根保証の意思はなかったと主張された…
63 会社代表者を含む複数の保証人がいるが、代表者変更に伴い退任した保証人の脱退について、他の保証人から異議が述べられた…
64 根保証書に「この保証の期限は、平成○年○月○日とします」と記載がなされていたので、同日の到来をもって、保証人から、銀行の請求がない以上は保証は消滅したと主張された…
65 債務者会社の役員ではない社員の根保証人から、銀行から「形式的に保証してもらうだけ」との要請を受け、やむをえず保証したもので、保証履行の意思はないと主張された…
66 包括根保証人から、保証後2年経過した時点で、保証の打切り通告を受けた…
67 被保証債務の延滞開始後2年が経った時点で、根保証人に保証債務履行を請求したところ、履行請求が遅いことを理由に保証履行に難色を示されている…
第8章◇機関保証に絡むトラブルがあったケース
68 保証協会保証付貸付金でプロパー債権を回収したところ、保証条件違反で代位弁済を拒否された…
69 担保の徴求条件が充足できず、保証協会から代位弁済を拒否された…
70 保証協会の条件になっている保証人が保証意思を否認した結果、保証条件違反となり受領ずみの代位弁済金を返還した(代位弁済否認となった)…
71 工事代金を引当てして保証協会付で貸出したが、すでに当該工事代金を一部受領ずみであったため、保証協会から代位弁済を拒否された…
内容説明
生きた事例に学ぶ融資実務の全ノウハウ。融資の取上げから担保・保証、回収まで不良債権化しないためのポイント、事後対策を満載。
目次
第1章 不動産担保の差入意思確認等を怠ったケース
第2章 不動産担保の目的物件の確認を怠ったケース
第3章 不動産担保の物件評価に問題があったケース
第4章 不動産担保取得後の管理に問題があったケース
第5章 預金担保および商業手形担保に絡むトラブルがあったケース
第6章 有価証券担保、その他担保に絡むトラブルがあったケース
第7章 保証に絡むトラブルがあったケース
第8章 機関保証に絡むトラブルがあったケース
著者等紹介
前田庸[マエダヒトシ]
学習院大学教授
上野隆司[ウエノタカシ]
弁護士
石井真司[イシイシンジ]
第一勧業銀行
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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