出版社内容情報
-RoboCup小型リーグへの挑戦-
●内容
RoboCupは,「2050年に,人間型ロボットチームが人間のサッカーワールドカップ・チャンピオンチームに公式ルールで勝利する」という目標を掲げ,その目標を実現するために関連の技術進歩を促進するランドマーク型のプロジェクトです。ロボット製作には複数の分野の技術が必要です。ロボット機構に加え,サッカーを対象とするRoboCupのロボットには,ボールを含めた周囲の環境をみる(ビジョン),次の動きを考え(予測),チームメイトと協調して行動する(通信,経路計画)などの機能が必要になります。言い換えるとシステム工学の要素,技術を多く含んでいます。 この本は,工業高校,工業高等専門学校,工学系の大学学部においてRoboCup小型リーグのロボット製作を教材として利用する,ジャパンオープンなどの競技会に参加するチームに基礎スキルを示すことを目的としています。
●目次
第1章 RoboCupサッカー小型リーグ
1.1 小型リーグの紹介
1.2 チーム作成のポイント
1.2.1 フィールドをみる
1.2.2 静止しているボールを蹴る
1.2.3 動いているボールを蹴る
第2章 ロボットの視覚情報処理技術
2.1 RoboCupでの画像処理
2.2 画像処理の各論
2.2.1 コンピュータでの画像の取り扱い
2.2.2 色情報の取り扱い
2.2.3 色抽出処理
2.2.4 ラベル付け
2.2.5 重 心
2.3 画像処理システムccam
2.3.1 システム構成
2.3.2 Video for Linux Two
2.3.3 画像処理ライブラリCMVision
2.3.4 画像処理システムccam
2.3.5 ccamのインストール
2.3.6 ロボットのマークと個体識別
2.3.7 色パラメータの指定方法
2.3.8 座標情報の配信
2.3.9 ccamの動作の確認
2.3.10 無線送信サーバssend
2.3.11 UDP通信のプログラミング
2.3.12 クライアント側のプログラミング
第3章 ロボットの製作
3.1 ロボットの構成
3.1.1 駆動方式
3.1.2 キックデバイス
3.1.3 ドリブルデバイス
3.1.4 モータおよび制御方法
3.1.5 電 源
3.1.6 無線機
3.1.7 マイコン
3.2 RoboCup用ロボットの製作
3.2.1 AKI-H8マイコンボードの製作
3.2.2 AKI-H8マイコン専用マザーボードの製作
3.2.3 9V電源の製作
3.2.4 通信機テスト
3.2.5 ステッピングモータ電源カット回路の製作
3.2.6 PICステッピングモータドライブキットの製作
3.2.7 ロボット足周りの製作
3.2.8 ccam対応ロボットプログラム
第4章 高性能化への要素技術
4.1 チャレンジ課題
4.2 カメラモデル
4.2.1 カメラモデルと透視変換
4.2.2 カメラキャリブレーション
4.3 ロボット構成
4.3.1 制御系
4.3.2 プラニング
4.4 実例研究
4.4.1 軌道の生成
4.4.2 経路生成部
4.4.3 ロボット構造に依存した変換式
4.5 経路生成方法
4.6 位置の予測
4.6.1 時系列データ
4.6.2 簡単な予測
4.6.3 カルマンフィルタによる予測
4.7 通 信
4.7.1 コマンドフォーマット
4.7.2 通信手段
4.8 さらに進んだロボットのためのVision
4.8.1 グローバルビジョンとローカルビジョン
4.8.2 ローカルビジョンのための機器
4.8.3 ビデオ信号とフレームレート
4.8.4 高速カメラと並列処理システム
4.8.5 ビジョンチップ
第5章 関連事項
5.1 会場にて
5.2 教材として
5.3 次への指針
第6章 関連資料
6.1 ルールの概説
6.2 Video for Linux Twoのインストール
6.3 H8の開発資料
6.3.1 H8開発環境
6.3.2 ソフトウェアの開発
6.3.3 ステッピングモータ電源カットおよび9V電源プリント基板
6.3.4 資料 RS232-STRa
6.3.5 通信データフォーマット
6.3.6 資料LCD
6.3.7 部品リスト
6.3.8 必要工具と資料
参考文献
目次
第1章 RoboCupサッカー小型リーグ
第2章 ロボットの視覚情報処理技術
第3章 ロボットの製作
第4章 高性能化への要素技術
第5章 関連事項
第6章 関連資料
著者等紹介
高橋友一[タカハシトモイチ]
工学博士。1976年名古屋大学大学院工学研究科修士課程修了、NTT、中部大学教授を経て現在、名城大学理工学部情報科学科教授
秋田純一[アキタジュンイチ]
博士(工学)。1998年東京大学大学院工学系研究科電子情報工学専攻博士課程修了。現在、公立はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科講師
渡辺正人[ワタナベマサト]
技術専門員。1983年名古屋電波通信工学院電波通信研究科卒。現在、国立豊田工業高等専門学校技術部第2グループ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。