出版社内容情報
21世紀に入り急速に発展した"計算トポロジー"を、その立役者が基礎から説き起こした本格的入門書。
幾何学とトポロジー、アルゴリズムの分野を超えた融合が進み、その応用範囲は学問の世界を飛び出して実学の世界にまで拡がろうとしている。このような発展を専門家以外の幅広い方にお伝えしようというのが本書の目的である。
本書では、幾何学、トポロジー、そしてアルゴリズムをごちゃ混ぜにした内容を扱う。混ぜ合わせることによって、それぞれが薄まるようなことは全くない。むしろ、幾何学によりトポロジーが扱う位相的な構造を具体的に構成することができ、また、常にアルゴリズムを意識することで、構成が具体的な問題に応用できる複雑さのレベルを超えてしまうことを防げるという利点がある。
本書は3つのPartから構成されている。Part Aはトポロジカルな考え方への入門編である。Part Bでは古典的なトポロジーの題材のうちから、我々の目的に有用で、効率よく計算できるものを扱う。本書の中核をなし、また革新的な部分であるのは、Part Cである。Part Cでは、パーシステンスとその安定性という概念を導入し、応用について議論する。
[原著: Computational Topology: An Introduction, American Mathematical Society, 2010]
目次
A 計算幾何学的トポロジー(グラフ;曲面;複体)
B 計算代数的トポロジー(ホモロジー;双対性;モース関数)
C パーシステントホモロジーとその計算(パーシステンス;安定性;応用)
著者等紹介
荒井迅[アライジン]
2003年京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了、博士(理学)。現在、東京工業大学情報理工学院教授。専門は力学系・計算トポロジー
竹内博志[タケウチヒロシ]
2019年東北大学大学院理学研究科博士後期課程修了、博士(理学)。現在、滋賀大学データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター助教。専門は応用数学・位相的データ解析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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