出版社内容情報
本書の目的は、自己完結した応用圏論の見学ツアーを提供することである。本書では、具体的な現実世界の例を通じて圏論の進んだ話題を理解する。それぞれの章では、電気回路、制御理論など実世界のテーマを動機づけとして、そこから随伴関手や豊穣圏などさまざまな種類の圏論的概念に話がつながっていく。ただし、それらを包括的に扱うのではなく、それらの構造を扱うとどんな感じになるのかといった知見や、それらが実世界でどのような形で現れるかについて、いくつかのアイディアを示す。各章を読み始めるためには、それまでの章を完全に理解している必要はないので、ある章の途中で難しく感じても、次の章に取り掛かることができる。本文の随所には取り組みやすい約240問の練習問題があり、それらすべての解答は巻末付録にある。
[原著]An Invitation to Applied Category Theory: Seven Sketches in Compositionality, Cambridge University Press, 2019
内容説明
本書の目的は、自己完結した応用圏論の見学ツアーを提供することである。それぞれの章は、現実世界の応用を動機づけとして、圏論的な道具立てによって考察するという流れになっている。具体的には、データ移行を随伴関手とみなし、電気回路をモノイダル圏とオペラッドを使って論じ、協調設計を豊穣化されたプロ関手を通して眺める。関連するすべての圏論の概念が、単純なものから高度なものまで、多くの例題と練習問題を使って分かりやすく紹介されており、大学レベルの数学を経験していない人にも理想的な参考書になっている。
目次
第1章 生成的効果:順序とガロア接続
第2章 資源理論:モノイダル擬順序と豊穣化
第3章 データベース:圏、関手、普遍的構成
第4章 協調設計:プロ関手、圏化、モノイダル圏
第5章 信号流れ図:prop、表示、証明
第6章 電気回路:ハイパーグラフ圏とオペラッド
第7章 振る舞いの論理:層、トポス、内部言語
付録 練習問題の解答
著者等紹介
フォン,ブレンダン[フォン,ブレンダン] [Fong,Brendan]
MIT数学科のポスドク研究員である。フォンは、身の回りのシステムを図で表現したり推論したりする方法や、関係性の観点から世界を理解する方法を研究している。これらのテーマは、応用圏論において共通する部分がある
スピヴァック,デヴィッド・I.[スピヴァック,デヴィッドI.] [Spivak,David I.]
MIT数学科の研究者である。スピヴァックは、データベース統合から知識表現、材料科学から力学系や振る舞いの科学に至るまで、さまざまな領域に圏論の応用を見出している
川辺治之[カワベハルユキ]
1985年東京大学理学部卒業。現在、BIPROGY(株)総合技術研究所主席研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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蠍