出版社内容情報
●内容
風景や景観をめぐる議論は,近年きわめて活発である。哲学や美学,人文地理学などでの議論だけでなく,社会政策としての景観行政がクローズアップされる中で,建築学,土木工学,都市計画学,認知心理学などでも盛んに風景や景観がテーマとして取り上げられるようになった。
本書は,これまでの,さまざまな分野からのアプローチの成果を,近代社会の成立・成熟の過程という時間軸により整理することで「風景学」の構築を目指している。
内容説明
本書は、風景や景観をめぐる多様な議論を体系化して示すことを試みたものである。
目次
風景以前の「風景」
風景の発見
規範としての風景
歴史が作る風景
近代主義が作る眺め
都市の風景化
風景から景観へ
集落と生活景
郊外風景の没場所性
仮構される風景
著者等紹介
中川理[ナカガワオサム]
1955横浜市生まれ。1980京都大学工学部建築学科卒業。1988京都大学大学院工学研究科博士課程修了。工学博士。1992京都工芸繊維大学助教授。現在、京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
保山ひャン
1
1.風景以前の風景、2.風景の発見、3、規範としての風景、4.歴史が作る風景、5.近代主義が作る眺め、6.都市の風景化、7.風景から景観へ、8.集落と生活景、9.郊外風景の没場所性、10.仮構される風景、11.生態的風景、12.自分が風景になる。風景についての考え方を歴史を追ってわかりやすく解説してある。あとになればなるほど、つまり現代に近づくにつれて、風景というものがつまらなくなってくるのはしかたないことなのか。風景を消費しはじめる近代の特徴なんだろうか。2015/07/06
YuYu
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結論が変。勉強にはなる。
Stemonitis m.(すてもに)
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主客二元論からの風景についての学説を整理した。没場所性みたいなものへの愛着のようなもの(?)への理論的説明の一端をみたような気がした。2011/10/14
soto
0
風景というつかみにくそうなものを12の切り口から分析(分類?)しており、風景学が概観できる教科書だった。このように体系的にまとめるのはなかなか難しいのだろうな。風景学の入り口としてはよい本らしい。2011/03/10