内容説明
時間も空間もない無が、宇宙を生んだ!先生、無って何なのですか!無は、現代物理を考えるカギなんです!知識ゼロから読める超入門書!
目次
0時間目 イントロダクション(無って何?)
1時間目 「無」の数、ゼロ(ゼロの誕生;自然界にあらわれるゼロ)
2時間目 「無」の空間、真空(真空の世界;存在って何だろう?;真空では物質が生まれている!;真空を満たす「場」と「エネルギー」)
3時間目 宇宙を生んだ、究極の「無」(宇宙は無から生まれた;生まれ変わる宇宙)
著者等紹介
佐々木真人[ササキマコト]
東京大学宇宙線研究所准教授。博士(理学)。1961年、大阪府生まれ。早稲田大学理工学部物理学科卒業。専門は宇宙素粒子物理学。主な研究テーマは素粒子天文学、量子真空、光電撮像検出器(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
45
物理的な無とは、真空なのか? 物質のなにもない真空をつくることが果たして可能かといえば、実は原理的に不可能。しかし実は作る必要はなくて、すでにそこに「ある」とも言える。最新の物理学が描き出す世界像は、日常の風景の手ざわりを、全くちがったものに書き変えてしまった。なにしろ今こうしている間にも、自分の部屋、自分の身体の中を、膨大な数のニュートリノが通過して、地球を何の抵抗もなく通り抜けている! そして素粒子の話は、いつのまにか宇宙論に変わっていく。「ある」ことと「ない」ことの区別にさえ探求の手は及んでいる。2023/12/31
おたま
34
題名からして哲学的な、宗教学的な本かと思いきや、さすが理系のシリーズなのでしっかり物理から「無」を考える本だった。最初数学的な0の話、そして真空の発見物語の辺りはほぼ分かる。その後、真空をめぐる最新の知見が出てくる辺りから難しくなる。ちょうどこのシリーズの『量子論』を読んでいたが、それと重複したような話も出て来て、やはりイメージするのに手こずる。量子論から真空の実相に切り込んでいくところからは、宇宙規模、かつ宇宙創成の話まで壮大な内容を扱っていて興味深かった。 2022/09/06
GELC
14
めっちゃやさしいといいながらも、さすがにかなり難しい(笑) 量子論を理解するための鍵の一つ「状態の共存」は不思議というか気持ち悪いというか… 強い力とか火の玉宇宙とか、割と安直なネーミングが多いのも気になる。 一番印象に残ったのは、空中に満ちているヒッグス場。これが水飴のように素粒子に抵抗を与えることで質量が生まれる。 素粒子は粒というよりも、場の一状態として認識される。場の量子論の電光掲示板の例えは分かりやすかった。 最終章の真の無についての話は、雰囲気のみで読了… 2024/04/13
yooou
8
☆☆☆★★ さらっと読めてそれとなく解った気にさせてくれるよい本でした。「無」についての踏み込み方はとてもよかったです2022/09/17
ぱぱちん
6
めっちゃやさしいかと言われたら、そんなことはない。0の起源からはじまって、真空とはなにか、宇宙はなぜ無の状態から生まれたのか?かなり詳しく説明されていたが、わかったような気になっただけで、結局はあまり記憶に残ってない。昔ホーキング博士にはまったときに、宇宙の新発見なる各種の理論(超ひも理論など)を必死で読んだ記憶がある。無の状態でも揺らぎがあり、そこから宇宙が生まれるって、やっぱりわからない。2023/02/10