出版社内容情報
名医の一言が、「プラセボ(偽薬)効果」をもたらす
小麦粉や砂糖水でも病気が治ってしまう「プラセボ効果」とは? 医療関係者は、痛みや発熱、高血圧やがんなどありとあらゆる病気にプラセボ効果あることを知りながら、公然と口にすることは医学を貶めるとしてタブー視してきた。本書は、フランスの医師が、この現象が医者と患者の絆に強く依存することを明らかにしながら、その秘密に挑み、「もっとこの現象を活用せよ」と訴える。
2005年掲載
日経サイエンス11月号、週刊読書人10/14、東京新聞10/6、中日新聞10/6、毎日ライフ12月号、朝日メディカル12月号、からだの科学3月号
内容説明
メリケン粉や砂糖水でも病気が治ってしまう―「プラセボ(偽薬)効果」とはいったい何か。これまで医療関係者は、痛みや発熱、不安や不眠、高血圧やがんなど、ありとあらゆる病気の症状にプラセボ効果があることを見てきたし、新薬のテストでは必ず偽薬を使うことで、その効能を比較・対照してきた。しかし、プラセボ効果を公然と口にすることは、医学を貶めることにつながりかねないとタブー視され、触れてはいけない「聖域」とされてきたのだ。本書は、フランスの精神科医が、さまざまな調査にもとづき、プラセボ効果がいかに医療全般に広がっているかを明らかにする。また、この現象が、医者と患者の絆と信頼性に強く依存することを見ていき、医者も患者も、プラセボ効果を恐れず、もっと積極的に利用する道がないか探れよ、と訴える。「薬の大量消費」に警告を促す書でもある。
目次
1 偽薬にまつわる諸問題
2 神秘の魔術
3 手がかりは増える
4 時代が変わり、場所が変われば、風習も変わる?
5 魔法使い医師の夢
6 医学への脅威
7 真実という試練
8 最終的な理解
最後の新たな展開
著者等紹介
ルモワンヌ,パトリック[ルモワンヌ,パトリック][Lemoine,Patrick]
1950年生まれ。精神科医、神経科学博士、フランス、リヨンのル・ヴィナティエ医療センター生物精神医学部門の責任者。不安障害やうつ病、睡眠障害が専門。向精神薬など医薬の過剰摂取の問題に積極的に取り組んでいる
小野克彦[オノカツヒコ]
1933年生まれ。京都大学医学部卒業。愛知県がんセンター研究所ウイルス部、塩野義製薬などに勤務
山田浩之[ヤマダヒロユキ]
1966年生まれ。学習院大学文学部フランス文学科卒業。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。