出版社内容情報
祖国からフランスに移って3年。シオランが移住後にルーマニア語で書いた唯一の著作,したがって母語で綴った最後の著作が本書である。「熱狂的なリリシズム」にとらわれていた当時の心境を,喩的表現を多用する屈折した詩的文体のうちにあらわす,独特な語り口の一冊であり,東欧的「激情」からパリ文化の影響で微妙に変移していった彼の軌跡が読みとれる。
内容説明
祖国ルーマニアを去り、パリに移り住んで三年。のちに、フランス語による呪詛と冷笑の著作で「暗黒のエッセイスト」の名を馳せることになるシオランの、これは母国語で書いた最後の一冊である。「熱狂的なリリシズム」にとらわれていたという当時の彼ならではの、屈折した詩的文体の妙味を存分に味わえる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろびん
3
フランス語で書き出す前の最後の本ということで、書き殴っている感はありますね、特に後半になるにつれて断章に。2020/02/25
ふくろう
2
ルーマニアの罵倒派による、青二才全開の言葉の群れ。「世に忘れられて死ぬよりは軽蔑されて死にたい、これが栄光を願うということだ」2011/05/05
しーぽん
1
ここまで来ると厭世的な山本夏彦みたいになってきてますね。体系的な思想があってそこから言いたいことが箴言として露見してきてるというよりはただ単に書き散らしてるようでどうにも伝わってくるものがない感じになってしまっています。残念。2012/02/21