内容説明
いつ知れず鬱病に取り憑かれた一女性が病気と正面から向き合い、闘い続けてきた十余年。短歌という伝統詩に全身を打ち込み、苦しみに耐え、嘆きを越え、歌を楯として絶望の淵から蘇る。いま、この愛と詩と執心の歌文集を鬱に悩む全国の病友へ送る。
目次
1 九六~九九(鉛;雪 ほか)
2 〇〇~〇一(晩夏の孤独;鬱の壷(二) ほか)
3 〇二~〇三(虚空;恥ひきずりて ほか)
4 慶応義塾大学病院との十二年
5 わが師わが友―あとがきにかえて
感想・レビュー
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双海(ふたみ)
8
「全身が鉛のやうに重くなり唇閉ぢてただ床に伏す」- 鬱病となった一女性が病気と向き合い、短歌に全身を打ち込み苦しみに耐え、嘆きを越え、歌を楯として絶望の淵から蘇る。鬱病に悩む病友へ送る、愛と詩と執心の歌文集。「可能性引き出すものが教育とさらりと言へり瀬戸内寂聴」「妹よ生きて生き抜けひたすらに汝(な)を想ふ姉を心に置きて」2023/07/05
中はしっとり
0
病を患っている詠者の心情が痛いほど伝わってくる。戦争を詠んだ歌も心に訴えてくるものが多い。強いメッセージ性を持った歌集である。2013/04/20
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