出版社内容情報
ロシアの壮大な歴史をコンパクトに知ることができる永久保存版。緊迫するウクライナ情勢の解説も。
【著者紹介】
1944年生まれ。一橋大学経済学部卒業。北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。北海道大学大学院文学研究科教授を経て、現在、北海道大学名誉教授。専門はロシア中近世史。著書に 『タタールのくびき』など多数。
内容説明
なぜ、革命はおきたのか?強権による専制はどうして必要だったのか?近くて遠い国、ロシアの真実。
目次
ロシアという国
キエフ・ロシア(キエフ大公国)―ロシア史の揺籃時代
「タタールのくびき」―モンゴル支配下のロシア
モスクワ大公国―ユーラシア帝国への道
近代ロシア帝国(貴族と農奴のロシア;苦悩するロシア)
ソヴィエト・ロシア―社会主義をめざすロシア
ペレストロイカからロシア連邦へ―今日のロシア
著者等紹介
栗生沢猛夫[クリウザワタケオ]
1944年、岩手県に生まれる。1967年、一橋大学経済学部卒業。1974年、北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。小樽商科大学教授、北海道大学大学院文学研究科教授を経て、北海道大学名誉教授。専門はロシア中近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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活字の旅遊人
42
今の国際情勢。トルストイへの関心。波多野聖『銭の戦争』でのラスプーチン。ロシアへの興味が強くなっても、ロシアからの視点で通史には触れてこなかったなあ、と本書を手にする。(西)ヨーロッパの端にある後進国がのしあがる歴史、という認識は以前から持っていたが、21世紀に至るまでにその西欧に歩み寄るのではなく対抗する存在に自己変革していったのだなあ。170ページからは2014年の増補で、グルジアやウクライナのことを簡潔にまとめてある。僕らは地理的に反対側の隣国であることを忘れてはいけないな。もっとロシアを知ろう。2022/03/02
koke
8
多くの図版によって読みやすさを確保しつつ、客観的な記述によって不正確な認識を正そうと努めている。なぜ強権的なリーダーばかりなのかとか、ウクライナとの関係のようなセンシティブな問題についても、通史の中に織りこむ形で慎重にヒントを与えてくれる。2024/12/14
早月
5
ロシア好き初心者としてのレベルを上げたくて。近所の大手書店では「歴史」ではなく「美術」の棚にありました。実際、絵画・写真資料が豊富で、一面文章だけになるのは数ページほど。ひたすら歴史を説く文章に図が添い臨場感を出していて、読むのが楽しかったです。「図説」の題に納得です。ロシアの通史を理解する第一歩として、統治者と政体、産業と貧富、外交と戦争、これらの推移を見ることができました。地図・略年表付きで、また参考文献一覧は可読性が高いため、ロシア史を学ぶ際の起点資料として用いることができそうです。2020/02/13
かささぎのはし
4
ピョートル大帝の時代、漂流したデンベイという日本人から日露のつながりがあったというのが興味深かったです。通史でビジュアルの資料が多いので、かいつまんでロシアの歴史に触れられる。最後はメドヴェージェフ大統領まで。2017/08/07
kanaoka 57
3
遊牧民が跋扈する南ロシアの平原と、フィン系諸民族の生活する北部の森林地帯。そして、それらに跨って浸透していくスラブ民族。素朴なキリスト教正教会への信仰と貴族と農奴を基盤にした専制的なツァーリ体制。西からのカトリック勢と、東部・南部からの遊牧系民族勢との狭間で自らの独立を図りつつ、さらにその軛から逃れようとするカザーク、ウクライナ勢の反乱を阻む。勢力拡大後は、広大な土地と豊富な資源を抑え、強国ロシアとなるが、根にある専制と隷属、警戒と依存の文化的な色合いは変わらない。現在のウクライナ戦争の根がそこにある。2022/05/12
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