感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つちのこ
5
河出文庫版2004年刊。1947年に創刊され、1975年に廃刊となった幻の雑誌『奇譚クラブ』に参集した絵師たちの群像を描いている。掲載された挿絵には伊藤晴雨のような緊縛画の大家もいれば、無名の投稿家の稚拙なものまで様々。江戸時代の浮世絵春画の流れを組むようにも思える責め絵には猥褻性よりも芸術的な格調の高さと美しさを感じることができる。これをマニアのための単なるエログロ画と切り捨てることはできない。芸術とは何だろうか。違いはモチーフとその動き、背景によるものなのだろうか。これを読んだら益々分からなくなった。2012/12/15
RingGing
1
『空想する人間の思考を否定することなんか、誰にもできない。心の奥底に深くひそんでいる美への執着、性の嗜好なんて、そうかんたんに他人にわかってたまるか、という思いが私にはある。』 何かに影響を受け、憧れ、自分の求めるものを表現する。というのは、ものを書く人間ならば覚えのあることで、その過程が見えて、新鮮な興味を持って読むことができた。SMや緊縛の、本物、というのがポルノの溢れた今の時代に生まれたこともあるし、僕自身何にでも発情するような奴なので、きちんとは分からないが、それでも、なんというか、心の琴線に触れ2014/04/11
つかさちゃん
1
図版を眺めるだけでも楽しい。2013/10/28