内容説明
一、二、三…は横長なので欧文と違って縦書きがふさわしい、日本語はいまだ言文不一致である、等々の慧眼が光る出色の日本語論、ことばの姿かたち論。「形式的」がいけないことを指すようになってしまった現状に異を唱え、スタイルの思想、名文、漢字と仮名、直線と曲線、語尾論…から復権する、日本人が失ったものを求めて。
目次
立てるか寝かすか
スタイルの思想
名文
金言名句
漢字そして仮名
直線と曲線
刷る文化
声のかたち
終りよければ…
著者等紹介
外山滋比古[トヤマシゲヒコ]
1923年、愛知県生まれ。英文学者、エッセイスト。東京文理科大学英文科卒。『英語青年』編集長を経て、東京教育大学(現筑波大学)、お茶の水女子大学(現名誉教授)などで教鞭を執る。エディターシップ、思考学、日本語論などの分野で独創的な仕事を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネムル
10
いまいち。日本語のあり方に色々もの申してるわりには具体的な傍証に欠け、これでは近所に住んでるようなうるさい親父と対して変わらん。漢数字一二三のように横に伸びた字形が多いので、読むには縦書きのが適しているという指摘は面白い(ローマ数字ⅠⅡⅢを読むには、横書きのが適しているように)。2017/12/02
壱萬参仟縁
6
新刊棚から拝借。1980年初出。国語が縦書きの常識が、横書きに(11ページ)。敬語の本も昨日書店で横書きだった。常々、日本の新聞がいつ、横書きになるかと。毛筆礼讃(22ページ~)は、手書きが減ってきたため、逆に新しさがある。日本社会は自己主張を嫌う(44ページ)。そんな時代もあったが、格差社会では主張しても自己責任と言われかねない。2013/04/13
k
6
「書を習っていて、自分の字に合う墨の色を考えるようになるまでには十年はかかるのではないかと思う。それまでにはたいていの人はやめてしまう」いつも考え方のヒントを与えてくれる外山先生。縦書きの新聞はなぜ横書きに向かないかなど、独特の語り口に引き込まれる。2013/04/02
isao_key
5
形を変えれば進歩であるといった考え方が、形式軽視と結びついて、世の中を実際以上に不安定なものに感じさせている。すべて形、形式が崩れたり、消えたりしている中にあって、ただひとつ頑なに形を守っているのが書道である。そんなとき書道専門誌「墨」に連載を書くことになり、ことばのかたち、について書くことに決めた。9回の連載をまとめ『ことばの姿』として1980年に出版する。改めて新版にしたのが本書だと紹介している。本書には著者の日本語についてのこだわり、流儀、所作、姿勢がしっかり描き出されている。 2013/04/07
のせなーだ
2
色々と、あれこれと語っていらっしゃる。ほとんどが、ご不満の内容だな。日本語の縦書き横書きは、読むのと書くのでは確かに差はある。読む方は確かに縦書きが目には楽だな。でも、サラサラと手書きメモするのは常に横書きで、子供の頃、絵日記は縦書きだったかしら記憶がないな。いつの間にか慣れている、習慣になるのかな。2024/04/16