河出文庫<br> 裸婦の中の裸婦

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河出文庫
裸婦の中の裸婦

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  • サイズ 文庫判/ページ数 190p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309408422
  • NDC分類 704
  • Cコード C0195

内容説明

「裸婦の中のもっともすぐれた裸婦、えらび抜かれた裸婦」をめぐつて交わされる十二の対話。作品にまつわる伝説や隠された意味が自由に語られる中で、次第に「見る」という行為の意味が明らかになってくる。バルチュス、ベラスケス、クラナッハ、百武兼行、デルヴォーなど、古今東西の芸術作品を独自のスタイルで読み解く美術講義。

目次

幼虫としての女―バルチュス スカーフを持つ裸婦
エレガントな女―ルーカス・クラナッハ ウェヌスとアモル
臈たけた女―ブロンツィーノ 愛と時のアレゴリー
水浴する女―フェリックス・ヴァロットン 女と海
うしろ向きの女―ベラスケス 鏡を見るウェヌス
痩せっぽちの女―百武兼行 裸婦
ロココの女―ワットー パリスの審判
デカダンな女―ヘルムート・ニュートン 裸婦
両性具有の女―眠るヘルマフロディトス
夢のなかの女―デルヴォー 民衆の声
美少年としての女―四谷シモン 少女の人形
さまざまな女たち―アングル トルコ風呂

著者等紹介

澁澤龍彦[シブサワタツヒコ]
1928‐87年。東京生まれ。本名龍雄。東大仏文科卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介するかたわら、人間精神や文明の暗黒面に光をあてる多彩なエッセイを発表。晩年は小説に独自の世界を拓いて、広く読まれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

303
西洋美術の歴史の中では、古代ギリシャの彫刻から現代絵画に至るまで、これまでに膨大な数の裸婦像が表現されてきた。そうした中から選りすぐりの、これぞ「裸婦の中の裸婦」12点が取り上げられ、対話スタイルで語られる。選者は澁澤龍彦なので、裸婦といった時にいかにも選ばれそうなのはアングルの「トルコ風呂」くらいで、それ以外は澁澤御大のお眼鏡にかなったものが精選されている。中で最も澁澤好みなのは、クラナッハかと思われる。一方、百武兼行にいたっては私には初めて聞く画家だ。また、エロティシズムという点では、ニュートンか。2018/04/04

YM

62
12の裸婦画を対話形式で紹介していく本書。当然ながら読む前と読んだ後で、裸婦の印象が違うんだなあ。個人的には「水浴する女」の裸で戯れてるのに全然キャピキャピしてない不穏な感じ、自由を制限されてるような感じと、「うしろ向きの女」の艶かしいミカエルの菱形がエロティックでいいな。「幼虫としての女」のほっぺが赤くてかわいらしい。2014/12/27

メタボン

31
☆☆☆☆ 官能的な作品ばかり展示されている展覧会で絵を前にしながら知的で少しエロティックな会話を楽しみながら歩いているような気分。特にそのディアローグの相手がちょっとクールな美女という設定が萌えてしまう。さすが澁澤の晩年の連載にて良作。澁澤の闘病により、その連載を3回だけ引き継ぐことになった巌谷國士も、立派にその代役を果たしている。ちょっと体型が異常に見えるクラナッハやバルチュスの裸婦が印象的。ウェヌス(ビーナス)の主題が多い。ベラスケスのウェヌスの腰に表れる「ミカエルの菱形」が艶めかしい。2020/03/01

マリリン

25
澁澤氏が選んだ12の裸婦について、対談形式で語り合っている。10~12の作品については澁澤氏が巌谷氏に託し対談が続く。最初にカラー写真もあり読みながら写真も見るという楽しい読書になった。裸婦の作品ではニュートンの「デカタンな女」が良かった。対談で面白かったのは「両性具有の女」。本書に登場する大江健三郎の「性的人間」も手元にあるが、間を置いて読んでみよう。2018/08/19

A.T

22
バルチュス、クラナッハ、ブロンツィーノ、ワットー、ヘルムート・ニュートン、デルボー、四谷シモン、アングル…など世界中に散らばっている裸婦 ヌードを描いた絵画、写真、人形作品を好みで集めて鑑賞する…澁澤龍彦キュレーションの紙上絵画展。セレクトが個人的にハマりました。制作意図が隠されたところにあるので、確かに額縁に入れて飾っておける作品ばかり。でも紐解きには小声で阿吽のやりとりを要するためでしょうか、鑑賞するツボを対話形式で究極の核心は察する仕組みです。2018/02/04

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