出版社内容情報
医薬品や新素材をつくる、有毒物質を分解する、地球の気候を変える……。私たちの常識を覆すキノコ・カビ・酵母たちの世界!
内容説明
建築やコンピュータをつくる、猛毒や放射線を食べる、地球全体の気候を変える、宇宙空間でも生き延びる…。「生命」の常識が覆される!
目次
序章 菌類であることはどんな心地なのか
第1章 魅惑
第2章 生きた迷路
第3章 見知らぬ者どうしの親密さ
第4章 菌糸体の心
第5章 根ができる前
第6章 ウッド・ワイド・ウェブ
第7章 ラディカル菌類学
第8章 菌類を理解する
著者等紹介
シェルドレイク,マーリン[シェルドレイク,マーリン] [Sheldrake,Merlin]
イギリスの生物学者。関心のある領域は植物学、微生物学、生態学、科学史・科学哲学など。スミソニアン熱帯研究所のリサーチフェローとして、パナマの熱帯雨林で地中の菌類ネットワークを研究したことで、ケンブリッジ大学の熱帯生態学の博士号を取得する。初の著書である『Entangled Life』は、2021年の王立協会科学図書賞や、米国『TIME』誌の2020年の必読書100選に選ばれるなど高い評価を得ており、20か国以上で刊行が決定した国際的ベストセラーとなっている
鍛原多惠子[カジハラタエコ]
翻訳家。米国フロリダ州ニューカレッジ卒業(哲学・人類学専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
112
菌類の不思議な世界を垣間見せてくれる良書。とても興味深い。地衣類と菌類の不思議な共生生活は有名だが、上辺以上に奥深い世界でもあった。植物と菌類の強制も面白いし、地下に張り巡らされた植物間のネットワークの描写も素晴らしい。著者はLSD体験や濁酒づくりを告白するようなエピソードも盛り込んで親しみを持ちやすい仕上がりになった。2024/09/19
kinkin
87
生物学も菌類のことも全然知らないのに読んでみた。ましてや訳本なのに。しかし流して読んでみて気になったことは、人間は菌類やきのこ、カビ。酵母の恩恵を多く得ていることだ。運悪く毒きのこでしんでしまったひとはかれらの功績の比べれば微々たるもの現代のプラごみ問題も彼らの彼らの働きで解決できるかもしれない。ただ今話題の「紅麹菌」のように人間は何でもわかっているようで知っていることはほんの一部分だと思った。もう少しわかりやすい日本語の本を探している。2024/04/06
やいっち
70
内容が濃い。敢えて日に30頁にセーブして10日で読了。本文もいいが、冒頭の数十枚のカラー画像が素晴らしい。動画で観たくもあるが、怖いもの見たさの感が極まるかも。菌類…地衣類は専門家の想像をも超える! 感想など要らない。植物でも動物でもない謎の生命体なのだよ。2024/08/22
ばんだねいっぺい
35
トリュフ探索の描写にわくわくした。 菌根ネットワークで繋がれた忘れられたメガ科学の当事者である菌類たちが、今後、各方面で大活躍すると思うとなぜか嬉しい。2022/05/12
翠埜もぐら
26
菌類と言う物に対する認識が一変しました。いや、菌類だけでなく植物とか藻類とか、生き物どうしが菌類を通じてネットワークを構築し、物質や情報までも共有していくって。菌根菌とかギンリョウソウはおぼろげに知っていましたが、共生とか共存の意味も規模も桁外れに大きくて複雑で、この手の本を読むと「解かった」ではなく、「混乱する」になりますね。使いどころが違うかもしれないけれど「荒唐無稽」という表現を使いたくなってしまいます。でも研究者と一般人って見えている世界が違うのだろうなぁ。LSDの治験の話も面白かった。2023/05/27