内容説明
人間はなぜ“言語”を習得できるのか。言語学に革命をもたらした生成文法とその最重要概念“普遍文法”について、チョムスキーが一般向けに解説した名著、待望の新訳。
目次
第1章 精神の研究に対して言語はどんな貢献をするのか―これまでになされたこと
第2章 精神の問題に対する言語学の貢献―現在行なわれていること
第3章 精神の研究に対する言語学の貢献―未来になされるべきこと
第4章 自然言語の形式と意味
第5章 言語の形式的性質
第6章 言語学と哲学
第7章 生物言語学と人間の能力
著者等紹介
チョムスキー,ノーム[チョムスキー,ノーム][Chomsky,Noam]
アメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学の教授。ペンシルベニア大学を卒業し、同大学で博士号を取得
町田健[マチダケン]
名古屋大学大学院文学研究科教授。専門は言語学。1957年福岡県生まれ。1979年東京大学文学部卒業。1986年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。東京大学助手、愛知教育大学、成城大学、北海道大学助教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yooou
7
難しすぎて読破できませんでした。言語から人間の精神を探索するという大胆な切り口にはとても興味が沸きましたが、どうがんばっても歯がたちませんでした。2012/07/02
塩崎ツトム
3
……うん、いきなりチョムスキーそのものを読もうとするんじゃなかったな。書いてあることの少しも理解できんかった。2014/10/08
roughfractus02
2
言語を習得過程から検討する著者は、従来の言語学の意味と音声の区別を受け入れ、主に意味や解釈を結びつける深層構造と主に音声を形式を結びつける表層構造を設定し、両者を関連させる規則を文法変形と呼び、プログラミング言語同様の構文分析を導入して、名詞句や動詞句から構文木を生成する事例を示していく。言語学を踏襲した二層構造からコンピュータ言語への接続への転換は多くの課題を残すが、変形生成文法仮説は構文的観点から精神現象をモデリングした。68年刊の本書の設定はさらに検討を経てMP(ミニマリスト・プログラム)へ向かう。2017/05/03
GASHOW
2
調子にのって読んでみましたが、難しかった。文法を公式のように説明してくれているので、英語に精通している人は、深く理解ができると思う。2014/03/04
ちょっかん
1
生成文法に関しては以前「生成文法の企て」を読んだが、入門書ではなかったため、本書を読むことにした。本書も決して入門者向けということはないのだが、生成文法の基本概念がしっかり記述されているため理解しやすい。また普遍文法に関する議論の後ろ盾として、デカルトやポール・ロワイヤル学派をよく引用しており、タイトル通り言語と精神の関係について知りたい読者にも興味深い内容となっている。ソシュールも含めて訳者の町田健先生の訳は難しいながらも読みやすく、注釈も工夫しており、彼の著作にも興味が出てきた。2018/08/21