内容説明
記憶を掘り起こす過酷で果てしない闘い。延安整風運動、1960年の大飢饉、文化大革命、天安門事件…何が起きたのか?膨大な犠牲者はいかに迫害され、亡くなったのか?ピューリッツァー賞作家が明かす地下歴史家たちの命がけの奮闘!
目次
第1部 過去(序―記憶の風景;溝;犠牲;星火;記憶としての歴史;神話としての歴史;)
第2部 現在(忘却の限界;失われた都市;門;記憶;肉切り包丁を下ろして)
第3部 未来(ウイルス;帝国;隠者の住処;結論―地下世界の歩き方を学ぶ)
著者等紹介
ジョンソン,イアン[ジョンソン,イアン] [Johnson,Ian]
カナダ出身のジャーナリスト。1984年に中国に留学して以来、通算20年以上中国に滞在し、記者として、また研究者として、著述家として同国を見つめてきた。中国の一般市民に密着した息の長い取材が持ち味で、気功集団「法輪功」への政府の弾圧と庶民の抵抗などを取り上げた『ワイルドグラス』(NHK出版)、さまざまな信仰、伝統行事のあり方を通じて中国社会をつぶさに描出した『信仰の現代中国』(白水社)において、その手腕はいかんなく発揮されている。2001年には法輪功に関する取材でピューリッツァー賞を受賞した
竹田円[タケダマドカ]
翻訳家。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。スラヴ文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kitakama633
2
暗い時代において、光は貴重だ。いつの時代にもそれが必要だ。江湖の誓いを立てたものは、多くが志半ばで斃れようとも、新たな仲間がまた集まってくることを知っている。いずれは自分たちが勝利することをわかっている。いつかその日は必ずやってくる。どれほど強力な権力だとしても、社会の根底に蓄積されてきた不屈の力(普遍的な力)よりも、強いということはない。地蔵菩薩は、地獄が空にならない限り、仏にはなれない、けれども地獄が空になることはない、それでも地蔵菩薩は力を尽くすことをやめない。問題は力を尽くすかどうかです(江雪)。2024/10/24
金吾庄左ェ門
2
中国共産党の気まぐれと自己都合に基づく記録(歴史)に対抗して、その気まぐれと自己都合の犠牲となった人々による真の歴史とも言うべき本です。共産党が何かの失敗で多くの犠牲者が出た事は枚挙に暇がありませんが、その犠牲者を十羽一絡にするのではなく、個人の立場から詳しくその失敗に迫っていきます。共産党は都合のいい成功の歴史を国民に押し付けるために、証拠隠滅を図ろうとしますが、それを許さず勇気をもって命がけで残してくれた記録です。2024/09/15
takao
0
ふむ2025/04/11