内容説明
なぜ人類は、この世のキワにいるかもしれない不思議な生きものを思い描き、形にしてきたのか?奇妙で怪しい、不気味だけどかわいい、クリーチャーたちが大集合!現代のクリエイターたちの作品も紹介し、妖怪やモンスターの源泉にある想像と創造の力を探ります。
目次
第1部 想像界の生物相(水;天;地;驚異の部屋の奥へ)
第2部 想像界の変相(聞く;見る;知る;創る)
著者等紹介
山中由里子[ヤマナカユリコ]
国立民族学博物館教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
92
本で巡る世界各国の妖怪・幻獣の展覧会。インパクトある奇妙な展示物や所蔵物の写真と共に学術的な観点も交えながら紹介されていて、もしかしたらいるかもしれないとワクワク想像を膨らませながらページをめくる。諸国見聞録も面白い。湯本コレクション(三次もののけミュージアム)観に行きたいな。“比較妖怪学”興味深い。2020/09/19
あじ
40
古今東西に巣くう怪異のポケット。そこは人魚や河童が奇天烈な姿態を晒す巣窟。幻獣たちの晩餐、国立民族学博物館で開催中。本書は公式図録になります。★3/5◆併読するならこの二冊!【幻獣標本箱 (幻獣コレクション)】江本創/著 【ニセモノ図鑑:贋作と模倣からみた日本の文化史】西谷大/著 2019/10/05
タナカ電子出版
33
世界中の品々、シンボル、アイテムによる美術品的写真集です☺️私の最近お気に入りのアニメ 虚構推理をより楽しめるための資料📖です。「怪異」とは中国起源で古代中国では王朝滅亡時など社会が大きく変わる時には、男女の転換(あいつは俺で俺はあいつで的な)♂️♀️、異常出産、怪物の出現、妖言の流行(蒼天已死など)、これらは「天」からの警告と理解されています😱しかし日本では「天」を天皇と理解される印象から「怪異」はもう少し身近な存在なんです👻よってオバQや鬼太郎は日本人にとってひたしみやすい存在なんですね🎵2020/02/21
テツ
17
展覧会の図録(だったらしい) 某博物館で購入。ミイラから呪具から民具やら祭具までありとあらゆる怪しいものが収められていて、何でこの展覧会を観に行かなかったんだと後悔。祝福も呪いも本来無価値無記名でしかない物や場所に何かしらの意味を付与するという行為としては同じであるし、そうした意味付けってこの地球で人間だけしか行わない(行えない)人間らしさの極地の一つだと思うんだよな。全ての道具から滲み溢れ出てくるそれに注がれた製作者の想い。時と場所をすっ飛ばして見るものに伝わる祝いと呪い。人間だけに許された力。2023/06/02
スリカータ
14
かつて博物館で観た妖怪のミイラが載っていてワクワクした。想像上の生き物が、世界共通であることが不思議。人から人に伝播したのだろう。製作力が進化してない時代のものは雑で笑ってしまう。ボッスの絵に描かれている魚の怪物のようなものもあり、どこかユーモラス。たっぷり楽しめる一冊である。2020/01/13