日本人を考える―歴史・民俗・文化

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309224497
  • NDC分類 389.1
  • Cコード C0039

内容説明

旅、田舎、江戸時代の庶民生活、差別、子育て…。さまざまな観点から、日本人の心性がどのように育まれ、現れてくる問題にどのように向き合い、そして時代の荒波を乗り越えようとしてきたか、民俗学の「旅する巨人」が折々に考察し続けてきた足跡をたどる。

目次

私はこんな旅をしてきた(向井潤吉)
“夜這い”こそ最高の結婚教育(大宅壮一)
地方人意識の変貌(浦山桐郎)
日本人(草柳大蔵;臼井吉見)
庶民の生活と文化―歴史のなかの江戸時代(速水融)
逃げ場のない差別のひだ(野間宏;安岡章太郎)
日本の子育ての知恵を訪ねて(青木一)

著者等紹介

宮本常一[ミヤモトツネイチ]
1907年、山口県周防大島生まれ。民俗学者。大阪府立天王寺師範学校卒業。大阪で小学校教諭を務めた後、渋沢敬三主宰のアチック・ミューゼアムに所属。武蔵野美術大学教授、日本常民文化研究所理事、日本観光文化研究所所長なども務めた。文学博士。1981年没。著書に、『日本の離島』(日本エッセイストクラブ賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ワッピー

35
1966~79年の宮本常一対談集。たまたま家族から少子化の原因は競争社会ヘの移行という話を仕入れていたので、「地方人意識の変容」(浦山悟郎)、「日本人」(草柳大蔵・臼井吉見)、「逃げ場のない差別のひだ」(野間宏・安岡章太郎)を読んで、社会の構造変化に納得感マシマシ。また、「庶民の生活と文化」(速水融)、「日本の子育ての知恵を訪ねて」(青木一)で日本人に対する固定観念への違和感を再確認。このあたりは最近話題になっている『日本の死角』にもリンクして、最近気になっていたことは宮本常一の調査行ですでに顕れていた⇒2023/08/26

18
セクハラ女性蔑視発言多いのがアレだけど、やっぱり面白い民俗学重鎮宮本常一の対談集。身分社会江戸の流れをくむ近代初期も結婚相手は固定化されてたことが狐憑きや上士、郷士、革マル()といった観点からも語られてて、やっぱり自由にはなったんだよなあと思った。夜這い乱婚は最高の結婚教育はさすがにダメだろと思う。こないだツイッタで乱婚パーリーも結局強者はいいけど、弱者はその場の空気を読んで、あんまししたくない相手ともしなきゃあかんのでいいモンでもないって居酒屋で隣になったおっちゃんが言ってたって見ました。2022/07/17

清水勇

9
「イザベラバードの奥日本紀行を読む」で明治初期の旅行記を解説された著者をもっと知りたく、1966-1979間で行われた著名人との対談を纏めたこの本を手に取る。著者が日本全国津々浦々の人々との話し合いから得た知見は圧倒的だった。特に同和問題(部落差別)に代表される日本の差別問題が議論されたが、その部落の古老から嫁を紹介される程信頼を得て実態を把握している著者の日本人の差別意識論は説得力があり圧巻。部落内だけでなく日本全国に差別が重層的でかつ上下に存在しているとの説明は日本人の行動の謎を解く上で参考になった。2021/11/23

nekonekoaki

5
対談ならではの読みやすさがあります。9名とのやり取りはそれぞれがみな、ウンウンそうだよなあとうなずいてしまう内容です。草柳大蔵さんがエドガー・フォールの「日本人というのは非常に適応はうまいと。だけれども変容はしないというのです」という言葉を引用していましたが、これなどは思わず唸ってしまいました。2006年3月30日初版発行。2021/10/09

そら

3
全国を歩き回って文献に現れない庶民の生活を聞いて回った宮本常一の対談集。旅、地方、庶民、差別、教育と話題は多岐にわたり、対談だからこそザックバランに話し言葉で卓越した知見に触れられる。収録された時期が60年後半~70年代と古いんだけど、その頃から既に現在における社会の諸問題を看破していることが分かる。 全国津々浦々で数多くの多彩な人間に触れあってきた人が辿り着いた言葉の数々の含蓄はハンパない。2018/12/26

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