内容説明
本人や関係者への徹底的なインタビューに基づいて、誕生から現在にいたる足跡を丹念にたどる。偉大なる「宇宙時代の抒情詩人」―その記憶の全貌。レイ・ブラッドベリ初の伝記。
目次
過去のものを思いだす
善き魔女グリンダ
進化論
魔法使いの弟子
やあ、お帰り、世界へ
ニュー・フロンティア
ハリウッド万歳
飛び方を習う
フューチュリア・ファンタジア
パルプの英雄たち〔ほか〕
著者等紹介
ウェラー,サム[ウェラー,サム][Weller,Sam]
1967年、イリノイ州生まれ。“パブリッシャーズ・ウィークリー”の通信員や、週刊誌“ニューシティ”のスタッフ・ライターをつとめたあと、フリーランスのジャーナリストとして活躍。“シカゴ・トリビューン・マガジン”などに寄稿しつつ、シカゴ・パブリック・ラジオの番組『ハロー・ビューティフル!』のホストをつとめた。現在は、コロンビア・カレッジ・シカゴの小説創作学科でブラッドベリの人と作品について教えている
中村融[ナカムラトオル]
1960年、愛知県生まれ。翻訳家・アンソロジスト。主に英米のSF、ファンタジーの紹介に従事する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スターライト
5
SFマガジン2006年1月号のレイ・ブラッドベリ特集において、訳者の中村融氏が本書の邦訳が進行していることを明かしてからずっと待っていた。しかし僕自身はブラッドベリのあまり良い読者とはいえないが。ともあれ、ブラッドベリの生涯を丹念に追った本書は、労作と呼ぶにふさわしく、まるでブラッドベリの日記を読んでいるかのような克明さだ。パルプ作家のレッテルから逃れようと奮闘するあたりや、社交的なのに女性の前では内気。しかし好色な部分もあり(!)、浮気の経験なども赤裸々に綴られている。ファンならずとも読んで損はなし。2011/05/30
midnightbluesky
4
ジョン・ヒューストンの傲慢さが『チャイナタウン』のノア・クロスそのまんまだったので、ほぼ地を行く役だったということに驚き。2011/10/29
Nekono
3
幼少期から2004年にメダル・オブ・アーツを大統領から受け取るまでを本人や家族を含むたくさんの人へのインタビューと、たくさんの資料を集めて書き上げたラッドベリの公認伝記。公認なので批評的な観点はない。しかし、ブラッドベリというたぐいまれな作家の生涯をこうして読むことができるのは素直に嬉しいと思う。 追記 2012/06/05 レイ・ブラッドベリ氏、この世を去る。2012/07/11
中川
2
ようやく読了。2014/03/03
うみにん
2
日本の初期SF作家がそうであったように、アメリカのSF作家も自らの小説が「SF」であり、「SF」の名が付くことで、三文小説に値するように見られる事に苦悩していたなんて! しかし、ブラッドベリが「パルプの帝王」から「アメリカ文学の重鎮」になるまでの道のりがその苦労を中心としながら、書かれている。上記の理由から、当然ながら、若手、中堅が主に占められているが、出来る事なら、歳を重ねながらも書いていった人生の後半部分もじっくりと読みたかった。確かにお高い本ではあるが、買って損なし。読んで損なし。そんな1冊である。2011/07/06