ころび切支丹―遠藤周作初期エッセイ

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ころび切支丹―遠藤周作初期エッセイ

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  • サイズ A5判/ページ数 240p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309031323
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

生誕100年。若き日に綴られた信仰と文学の軌跡。『沈黙』刊行前の貴重な講演録も収録!

目次

1(フランス・カトリック文学展望―ベルナノスと悪魔;フランス・カトリック文学その後;カトリック者と作家の矛盾;聖年について;カトリック作品をよむ時;キリスト教と民主主義;一つの反省から;マス・プロ芸術家;A・A諸国との文学的交流;近代芸術観の盲点;日常的なものと超自然的なもの)
2(ピエール・エマニュエル;ポール・ルイ・ランツベルク―その生涯と作品;サドはワイセツか;獄中作家のある形態―サドの場合)
3(渡邊一夫『狂気についてなど』;長與善郎『切支丹屋敷』 ほか)
4(映画的映画に関する序説;日本のイマージュとフランスのイマージュ;野郎どもと女たち;雪は汚れていた;ロマンス・ライン;おとなしいアメリカ人)
5(ころび切支丹;宗教と文学;文学と人生)

著者等紹介

遠藤周作[エンドウシュウサク]
1923年、東京生まれ。幼年期を旧満州大連で過ごす。神戸に帰国後、十二歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒業。五〇年から五三年までフランスに留学。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア小説や歴史小説、戯曲、「狐狸庵もの」と称される軽妙洒脱なエッセイなど、多岐にわたる旺盛な執筆活動を続けた。55年「白い人」で芥川賞、58年『海と毒薬』で新潮社文学賞、毎日出版文化賞、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞、79年『キリストの誕生』で読売文学賞、80年『侍』で野間文芸賞、94年『深い河』で毎日芸術賞、95年文化勲章受章。96年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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夜間飛行

195
殉教の精神を虚栄心と決めつける批評家に著者は怒る。人の心を何でも虚栄やエゴで片付けてはいけない。虚栄心があるにせよ、残り40%のX(と著者は名付ける)が大事なのだと。これは近代の唯物主義や皮相な合理主義に抗って、人の心の未知の領域を探っていった遠藤さんらしい。サドやラクロを論じた章では、彼ら没落貴族が(基督教の衰退も重なって)社会的・精神的基盤を失い、自分の根っこを掴み直すために小説を書いたという。カトリック文学を論じた章は難しいが、ベルナノスやランツベルクなど読みたい作家が増えた。映画論も参考になった。2024/11/14

ネギっ子gen

54
【弱者に救いはあるか】カトリック者は、絶えず自分自身と闘わなければならない。著者が若き日に信仰と文学の軌跡を綴った、エッセイや評論を集成。本書の表題でもある『沈黙』刊行前の講演録も収録。その最後の方で、あのユダに言及している。<わたしがいつも聖書の中でひっかかってしまうのは、キリストが最後の晩餐のときに、ユダに「いけ、汝のなすところをなせ」と言っているところです。ユダが外へ出ると、「外は闇なりき」。闇というから孤独だったんですね。あれはとてもいい文章だ。外は闇なりきというユダの孤独がとても出ている>と。⇒2023/11/08

bigdad

0
☆☆☆2023/10/13

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