出版社内容情報
転生したらまた友達になった件。――バドミントンのダブルス、アイドルと推し、人気俳優とリアリティショーYouTuber……。
内容説明
新時代の男子・友情・世界を描く連作小説集!
著者等紹介
町屋良平[マチヤリョウヘイ]
1983年生まれ。2016年「青が破れる」で第53回文藝賞受賞、第30回三島由紀夫賞候補。2018年「しき」で第159回芥川龍之介賞候補、2019年「1R1分34秒」で第160回芥川龍之介賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
209
町屋 良平は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、今時の若者のバディモノの青春譚でした。著者は芥川賞受賞をピークに進化していない気がします。私には、保育園が一緒(但し、記憶にない)、小中別、高校一緒、大学以降別の半世紀に渡る友人がいます(笑)2021/02/11
アキ
84
2019年芥川賞受賞の町田良平の最新作。来週の著者のオンライン刊行記念対談の前に読了。4編の短編から成るが、どれも登場人物の名前は同じです。でも設定も関係性も性別も作品により異なります。共通するのは鳥井と菅が小学校の同級生で偶然それに気づくことと、海で溺れかけた記憶があること。バトミントンのペアを組んだ時の言語化される手間のさとりの感覚や身体に残る意識化されない記憶、見る・見られる関係性をテーマにしている小説でした。「フォアハンドがまるで生の側だとしたら、バックハンドは死の領域だと思う。」身体感覚の言語化2020/11/14
kei302
58
「記憶が まるで四回目の今生」菅航大と鳥井陽太の四回の人生の断片。主題と変奏みたいだ。ふたりが主題で、バリエーションが4つ「カタストロフ」「このパーティ気質がトウトイ」「ホモ・ソーシャルクラッカーを鳴らせ」「死亡のメソッド」。混ざり合った状態で描かれる菅と鳥井が、一話ずつ進むにつれてじょじょに輪郭を成し、分離していくのが読んでいておもしろかったけど、ふたりでちょうど200%は出来すぎなので、150%ぐらいでちょうどだと思った。 2021/12/29
ヒデミン@もも
57
図書館の棚で背表紙に呼ばれて手に取った。少し読み始めたら心地よい文章。家でじっくり読んだらよくわからないストーリー。さすが芥川賞作家。なんかいいな男子の友情。2022/02/05
いっち
43
パラレルワールドっぽい短編集。4つの短編を収録。どの短編でも菅と鳥井という若い男が登場。ただ仕事や役割が異なっている。つまりパラレルワールド。タイトルの「ふたり」は菅と鳥井のことで、「200%」は営業成績の達成率が菅129%、鳥井71%からきている。菅の高い達成率は鳥井のフォローが効いてるし、鳥井の低い達成率は菅のフォローという理由を作り出している。持ちつ持たれつ。ひとりで一人分ではなく、ふたりで二人分。タイトルや装丁はポップだが、内容は難しい。著者はやさしい言葉で、深い(難しい)内容を描こうとしている。2020/12/30