出版社内容情報
共に暮らす青年眞宙が実の父親ではないことを知りながら側に在り続ける事を望む平良。彼の左腕に残る火傷の痕に隠された真実とは…。
菅野 彰[スガノ アキラ]
著・文・その他
内容説明
宮城県の海のある街に暮らす平良はもうすぐ16歳の誕生日を迎える。極端に若く見える眞宙が実の父親ではないと気づきながらも、かたわらに在り続けることを強く望む平良。眞宙と平良の本当の関係は?そして左腕に残る火傷の痕に隠された真実とは―。
著者等紹介
菅野彰[スガノアキラ]
福島県生まれ。小説家、エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダージリン
29
胸が痛くなるような優しさに満ちた物語で、平良と眞宙の在り方が気がかりで一気に読んだし、読んだあとの余韻に浸りつつも色々考えてしまいました。ふたりがこのままでいられたらいいと願ってしまう。2018/11/22
かすり
2
平良は高校生。震災後造成された新興住宅地に父眞宙と暮らす。父子家庭でも眞宙は何不自由なく平良を育ててくれているが、眞宙が隠している平良の出生の秘密やどこに越しても月一度眞宙を訪ねてくる謎の男のこと、記憶にない左腕の火傷のことを眞宙には尋ねられないでいる。しかしそれらのことより平良が気になっているのは、眞宙が時おり見せる闇の深さだった。…こういう読み方はいけないのかもだけど、晴天シリーズの秀と勇太のあったかもしれないもう一つのの物語として読んだ。眞宙は社会不適合者で、それは彼自身のせいではないかもしれないが2019/02/12
もか
1
図書室本。2人のこれからが気になる。2019/06/29
pyo
1
新年早々、どストライクなお話に出会えてラッキーです。ちょっとだけ引っかかったのは、彼らは住所と一緒に本籍も仙台に移してたのかな?ってことです。戸籍謄本は本籍地でないと取得できないはず。偽造戸籍なら、あやしまれないよう、役所関係の手続きは最小限にするような気がするけど。2019/01/04
まろん
1
★★★★ BLかと思ったら、家族愛の話だった。しかもとっても重い。ネグレクトを受けていた二人の子供の話。兄にしか見えない父、眞宙と平良親子。眞宙は平良がいたから人として最低限のモラルを守ってこられたし、平良は多分眞宙がいなかったら死んでいた。そして、多分眞宙はネグレクトとは関係なく、人としての感情に欠けている。平和な家庭に産まれたら、化け物扱いを受けたかもしれない。平良にとって、正義感が強い事は多分マイナスだろう。でも悪を受け入れられない。最愛の人であっても。二人の未来が心配だ。2018/12/23