出版社内容情報
生と死とエロスの世界を描き、読者を魅了し続ける著者、十年ぶりのエッセイ集。人生の輝き、ときめきを瑞々しい言葉で紡ぐ46篇。
内容説明
恋のときめき、愛しい人たちとの別れ、書くことの神秘―喜びと哀しみに身をゆだね、生きていく。12年ぶり、芳醇な香り漂うエッセイ。
目次
1 生と性、そして死について(ふいに秋が;生と死の営み ほか)
2 書くことの神秘(書くことの神秘;始まりの一冊『知的悪女のすすめ』 ほか)
3 作ること、食べること(おめでたい人間;手料理の効果 ほか)
4 愛しい生き物たち(昭和の犬猫;ぬくもり ほか)
5 私のハロー・グッドバイ(父の遺品―『沈黙のひと』が生まれるまで;少女のように ほか)
著者等紹介
小池真理子[コイケマリコ]
1952年、東京生まれ。成蹊大学文学部卒業。89年「妻の女友達」で日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、96年『恋』で直木賞、98年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、12年『無花果の森』で芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)、13年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
158
小池真理子は、永年に渡って読み続けている作家です。但し、エッセイは初読です。ここ12年間で書き溜めたエッセイとのことですが、タイトルも中身もVeryGood!著者の小説の普遍的なテーマは『性と生そして死』だそうです。今後も小池真理子を読み続けます。2017/10/07
くろにゃんこ
51
エッセイでした。著者の様々なことについて書かれていて、かつて読んだ小説も改めて読みたくなります。2018/01/14
竹園和明
45
繊細な筆致にかけては屈指の作家、小池真理子のエッセイ。様々なテーマについて細やかな部分まで丁寧に拾い上げ美しい言葉で表現する文章は、氏のお人柄が投影されているのだと感じた。25歳でデビューした当時は「生意気」と罵られたそうだか、ベーシックな部分で物事の捉え方が純粋ゆえ、直球を投げ続けていたからなのだろう。桐野夏生と仲良しなのが何となくわかる気がした。生と性については達観の境地に達し、生き物本来の素の要素を剥き出し且つ美しく描く。それが着飾った美しさではないナチュラルな美しさに昇華しているのだと感じた。2017/12/22
みえ
43
最近、小池さんの恋愛小説読んでないなあ。また読みたくなった。これはエッセイなんだけど、女性として憧れの人。丁寧に毎日を生きる姿が見えるようだった。2017/11/06
きさらぎ
37
軽井沢での生活や両親の老後を看取った経験、恋愛に対する考えを自身の12年間を振り返って書かれたエッセイ。結婚したからといって死ぬまで相手以外の異性が見えなくなるということはなく、年齢を重ねたからといって男女が惹かれ合い触れ合いたいという気持ちがなくなるはずもない。恋愛はもう面倒だというのは人生の終盤である90歳の人間がぼやくことである。昭和のお正月は手作りのおせちが中心であったが、今は無理をせずに好きなものを食べ、よく寝て、楽しくお酒を飲む、これがエネルギーのもとだとか。楽しい暮らしがありそうだ! 2017/12/01