出版社内容情報
ショートショートの名手による、全31編! 少し不思議な商店街で起こるのは、切なくておかしくて、ときに怪しい物語。
【著者紹介】
1959年愛知県生。81年「星新一ショートショート・コンテスト」で「帰郷」が優秀作に選ばれる。著書に『奇談蒐集家』『目白台サイドキック』シリーズ、ショートショート作品に『星町の物語』『星空博物館』等。
内容説明
伏木商店街は一見、どこの街にもあるような駅前の商店街。でも、おいしい洋食屋や、腕のいい靴屋にまじって、特別仕上げで運気アップのクリーニング屋(「クリーニングの柴田」)や、持ち主がいなくなった“時”を預かる時計屋(「間下時計舗」)、思い出が蘇るメンチボールを揚げる肉屋(「塚田精肉店」)もあるし、倦怠期の夫婦が仲直りするオツな映画館もある(「シネマエウレカ」)。看板犬ならぬ、看板怪獣だっている(「三ツ谷煙草店」)。迷いこんだら抜けられない、魅惑の商店街にようこそ―。星新一を継ぐショートショートの名手が贈る31の物語。
著者等紹介
太田忠司[オオタタダシ]
1959年、愛知県生まれ。81年、「星新一ショートショート・コンテスト」で「帰郷」が優秀作に選ばれる。90年、『僕の殺人』を上梓し、専業作家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
121
太田さんの作品は初めてではないのですが、あまり読んではいませんでした。ここのお気に入りさんの感想をみて読んでみました。ショートショートと短篇の中間のような感じでまさしく星さんや阿刀田さんの感じを受けました。商店に関する話になっていて楽しめます。ほのぼのとした感じもあります。表紙がいいですね。2015/09/28
みかん🍊
98
シャッター街ではなくそこそこ賑わった商店街の31店舗のショートショート、ほっこりちょっといい話や怖い話、SFな話、ゾッとする話いろいろな味の詰まった不思議な商店街、鮮魚店の鯛は妻以外の女性が食べさせたら困るんじゃないの、煙草屋と靴屋の話が好きでした、最後の話は別の意味でゾッと恐ろしい話でした。2016/08/22
おかむー
88
著者の『星町の物語』に続いて二作目のショートショート集。ピンとこなかった前作よりも好感触、でもちょっぴりひっかかりもあり。『もうすこしです』。タイトルどおりにありきたりなようでいてどこか奇妙な商店街を舞台に、ブラック寄りからハートフルまでバラエティ豊かですが、ほのかにノスタルジックな余韻を残す様々な店の物語が印象的。ただこれは好みの別れるところだろうけれど、それぞれの物語にこれといった繋がりがないまま進んでいたものが、最後になって唐突に全体をまとめてしまう(と取れる)話を持ってきたのはむしろ興醒めで残念。2015/12/05
ぶんこ
77
興に乗ってきたと思ってると終わってしまうので、ショートショートは実は苦手。 なので集中して読む事が出来ずに、雑用の合間に読みました。 甘酢餡がかかったミートボール食べてみたいです。 呉服屋さんの(女紋)では、兎と月が女紋と言っているようで、私の解釈と違っていたので、思わず調べてしまいました。 私は結婚前の実家の紋を、結婚後も使う事だと思っていました。 今頃本当の事を知るとは! 一つひとつのお店に不思議な世界があって、こんな商店街があったらブラブラ歩きをしそうです。2015/10/31
Yoshihiko
74
商店街のお店のショートショート集。それぞれに深みがありブラックな感じもあり、面白かった。「思い出のメンチボール」が個人的に好きなお話でした。2015/09/22