出版社内容情報
《内容》 「正常眼圧緑内障」は,近年よく学会のシンポジウムや,雑誌の特集で取り上げられる事が多い疾患である。その頻度が全緑内障中の2/3,40歳以上の成人での有病率が本邦では2%にも上がると推定されており,決して稀な所か,極めてありふれた眼疾患であるが,その病態については不明の点がまだ多々あり,更にその有効な治療法は確立されていないという厄介な眼疾患である。 本書は,この「正常眼圧緑内障」に関する衆知を集めて,本症の臨床の理論付けに役立つべく一冊の小冊子(20世紀のまとめ)にしたものである。 《目次》 正常眼圧緑内障に対する認識の歴史的変遷正常眼圧緑内障の疫学正常眼圧緑内障の診断眼圧/視神経乳頭/網膜神経線維層/視野/眼または球後血流/鑑別診断正常眼圧緑内障の管理予後および予後(発症,進行)因子/視野の経時的変化について/無治療での眼圧の経時変化/乳頭の経時変化/点眼療法/内服療法/手術療法正常眼圧緑内障に関する基礎研究レビューと新しい治療概念の解説/正常眼圧緑内障の視神経乳頭の病理/視神経乳頭の血流支配/視神経乳頭,球後血流測定法/網膜神経節細胞死(アポトーシス)/グルタミン酸-Ca2+仮説/実験動物での神経保護研究/培養網膜神経節細胞での神経保護研究コラムNTGと思っていたら夜間高眼圧/虚血性あるいは中毒性視神経症が疑われた例/CT,MRIで異常がみつかった例/全身または局所循環動態異常が顕著であった例/いわゆるglaucoma-like dish/NTGと乳頭出血/frequency doubling perimetry, short wave-length automated perimetry/薬物(点眼,内服)の視神経乳頭血流に対する効果/点眼または内服薬物の球後血流に対する効果/vasospasm測定法とその意義/lowteenでも進んだ例/手術により眼圧を十分に下げても進行が止まらない例/発症および進行に血管性event関与が疑われる例/緑内障手術により合併症が生じた例/NTGと近視