出版社内容情報
ビジネスホテルに宿泊した男は、隣室からの壁を叩く音に辟易しながら奇妙な夢を見た。
しかし翌朝、客室係に聞くと、隣の705号室は使用を禁止しており、宿泊者はいなかったという。
別の日、希死念慮を抱えるデリヘル嬢が同じホテルに行くと、引き寄せられるように705号室に辿り着き……。
705号室が引き起こす惨劇は、どのような着地を迎えるのか。禁断のホテルホラー、新装版で復活!
【目次】
内容説明
ビジネスホテルに宿泊した男は、隣室からの壁を叩く音に辟易しながら奇妙な夢を見た。しかし翌朝、客室係に聞くと、隣の705号室は使用を禁止しており、宿泊者はいなかったという。別の日、希死念慮を抱えるデリヘル嬢が同じホテルに行くと、引き寄せられるように705号室に辿り着き…。705号室が引き起こす惨劇は、どのような着地を迎えるのか。禁断のホテルホラー、新装版で復活!
著者等紹介
塔山郁[トウヤマカオル]
1962年、千葉県生まれ。第7回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞し、『毒殺魔の教室』にて2009年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
81
ある旧家の因習×ビジネスホテルという組み合わせが上手くマッチしたホテルホラー。読んでいるうちに少しだけ「シャイニング」を思い浮かべた。もちろんオーバールックと全然規模感が違う。しかしホテル内を跋扈する幽霊たち、何かを感じる客を引き寄せる魔の部屋、心の隙をつかれる人々…。それまで物置とされていた705号室を改装してお客さんを入れることを決めた支配人。しかしそこは隣の部屋に泊った人でさえ壁を叩く音や奇妙な夢に悩まされる禁断の魔所。その部屋が惨劇を引き起こす理由は?どう着地するのか気になり一気読みだった。2025/08/13
よっち
28
宿泊したビジネスホテルで隣室からの壁を叩く音に辟易しながら奇妙な夢を見た男。使用が禁止され宿泊者はいないはずの隣の705号室が惨劇を引き起こすホテルホラー。冒頭の不穏な描写から始まって希死念慮を抱えるデリヘル嬢など、705号室に引き寄せられるように現れる人物たちには人間の弱さや闇が垣間見えて、そこから「おくだり様」という管狐の存在を中心に意外な展開へと向かう構図でしたが、現代と過去、都市と地方の境界が曖昧になっていく中、ホテルという日常的な空間が突如異界へと変わる恐怖や後味の悪さが鮮烈な印象を残しました。2025/09/09
Porco
25
呪われたホテルの一室にまつわる怪異。序盤は登場人物の視点が切り替わる群像劇的側面もあり、この辺りは中々に後の伏線も散りばめられてたり良い雰囲気。しかし中盤になりある男の手記が出てくる段階になってくると様子が一変し、分かりやすいよくある怪異ものらしい展開になってしまい前段の期待を超えることなく残念。ただ「おくだり様」の悪辣な手腕や、ラストの周り巡って族滅を達成した恐ろしさの書き方は好ましい。 (1/2)2025/08/31
ぽすこ
20
めちゃくちゃ面白くて一気に読んだ!最初はホテルに幽霊が現れるような典型的なホラーかと思ったが、怪異の正体に迫っていく過程が面白い。人間って怖いなとも感じる一冊。後味が悪いのも最高。2025/08/22
栗山いなり
15
とあるホテルで起こった怪奇現象絡みの事件を描いたミステリーホラー小説。ミステリーホラーとは書いたけどミステリー色よりホラー色が強くて特に後半はその傾向が強いと思った。結末が一種のJホラーのお約束だったのもホラー色の強さに拍車をかけてるかも2025/08/17