出版社内容情報
野良猫虐待事件をフィギュア造形の蘊蓄で解決し、父を喪った少年の心を印刷業界の蘊蓄で開く。さらに、凶器が消えた奇妙な殺人事件の謎を、コスプレの知識で暴く!? 新たな相棒・フィギュア作家の團(だん)と共に、紙鑑定士・渡部がさまざまな事件に挑む。3つの紙の蘊蓄が楽しめる連作短編! 『このミス』大賞シリーズ。
内容説明
どんな紙でも見分けられる男・渡部の紙鑑定事務所には今日も、紙にまつわる一風変わった依頼が舞い込む。紙粘土のようなものをぶつけられて怪我をした野良猫たち。漫画の単行本を「不良品だ」と言って、心を閉ざす少年。そして、凶器が消えた奇妙な殺人事件―。プラモデル造形家・土生井やフィギュア作家・團の知識を借りながら、渡部は複雑な謎を解決していくが…。紙・フィギュア・アメコミ・印刷・コスプレなどさまざまな分野の蘊蓄を詰め込んだ、全三作の連作短編集!
著者等紹介
歌田年[ウタダトシ]
1963年、東京都八王子市生まれ。明治大学文学部文学科卒業。出版社勤務を経てフリーの編集者、造形家。『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』で第18回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞を受賞し、2020年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
252
紙鑑定のみならず、フィギュア製作、アメコミ、コスプレ、ジャズの名盤など。前作よりも更に専門的知識が溢れます。でも、これがめっぽう面白い。お馴染みの登場人物に加えて、初登場のフィギュア原型師の團さんが、とても印象に残るキャラで、この作品のエンタメ性を高めているのは間違いない。イエス。2023/03/28
イアン
202
★★★★★☆☆☆☆☆【献本】で戴いた紙鑑定士シリーズ第2弾。神奈川県内で焼け跡から男性の刺殺体が発見される。やがて捜査線上に1人の男が浮かぶが、その男の人柄を知る刑事・石橋は〝凶器なき殺人〟に違和感を覚え、紙鑑定士・渡部の元を訪れる(「表題作」)。どんな紙でも材質や製造元をたちどころの見抜くという紙鑑定士が活躍するニッチな連作短編集で、紙・フィギュア・アメコミ・コスプレなどサブカルチャーへの怒涛の蘊蓄には偏執的な愛情すら感じさせる。作中最も驚いたのは、車体の色を変化させる技術が既に存在しているということ。2022/04/09
kou
183
今巻も面白かった。あまり馴染みもなく、専門的な説明には半分も理解できなかったが、興味深く読むことができた。それにしても、渡部のキャラが良い!人情に熱く、決める時は決めるが、どこか3枚目、復讐しようと思えば実行できるのに非情になりきれない・・・。読み進めるほどに、渡部に魅了されていく自身がいた。他にもイロイロな活躍を読んでみたい。それにしても、真理子の登場シーンが少ない気が・・・。真理子の活躍も読んでみたい。2022/06/21
美紀ちゃん
166
面白い! このシリーズ好き。 3つの連作短編集。 新しい仲間? フィギュアの造形師、團さん。 何かを作る人は観察力に優れているのかも。 シリーズ①の時にも書いたかもしれないが、 紙の情報量が多く知識が豊富でかっこいい。 紙のことがわかると、本の出版について、なるほど色々な事を知ることができるのだと感心した。 真理子さんとの進展は次の巻ということでいいですね!? 歌田先生!期待しています!2022/05/25
まちゃ
151
紙鑑定士シリーズ第2弾。紙鑑定士・渡部がプロモデラー・土生井、フィギュア作家・團の力を借りて、日常の謎や強盗殺人事件の真相などに挑む。紙、フィギュア、コスプレなどのマニアックな蘊蓄が豊富な3編の連作短編集。気軽にサックと読める一冊2022/04/17