出版社内容情報
明智光秀による「本能寺の変」の仕掛け人は、斎藤利三だった――!? 2020年のNHK大河ドラマは、明智光秀の生涯を描く『麒麟がくる』。いま改めて明智光秀が注目されています。本書では、その明智光秀家の家老であり、「本能寺の変」の仕掛人と推定される斎藤利三を取り上げます。「本能寺の変」をめぐる学説の最近のトレンドは「本能寺の変の原因は四国問題にあった」というもの。この四国政策(対長曾我部対策)の転換において、斎藤利三の関与が明らかになっています。本書によって、明智光秀や「本能寺の変」に対するイメージがガラッと変わります。
内容説明
政変の決断はわずか3日前だった!キーマンは明智家中にいた!“信長殺し”の真相がついにわかった!?新史料から明らかになった、「本能寺の変」438年目の真実。
目次
序章 光秀の前史―知られざる雌伏の前半生
第1章 光秀、ナンバー2に上りつめる―畿内方面軍の形成
第2章 斎藤利三とは何者か
第3章 信長、四国政策を急転換す
第4章 光秀謀叛―その真相を考える
終章 光秀と利三の最期
著者等紹介
桐野作人[キリノサクジン]
1954年、鹿児島県生まれ。立命館大学文学部史学科卒業。現在、歴史作家、武蔵野大学政治経済研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サケ太
22
光秀だけでなく、その配下である斎藤利三について掘り下げられている。分国法という基準がないため、信長という男の判断のみに左右され過ぎる、というのは責任が全て降りかかるという事である。組織が小さい状態であればともかく、大きければ不満を持たれやすく、配下の責任もそれに伴って大きくなる。信長の責任追及も行われている状態を考えれば、責任を果たそうと必死にもなるが、それを潰すのが上司ともなれば。本能寺は必然としか言いようがないのでは。そう感じさせる一冊。2020/03/26
roatsu
21
P154で織田家の対毛利戦争における武将として登場する因幡鹿野城主・亀井茲矩は、先次大戦で帝国海軍の三空零戦隊司令として大戦果を上げ、最後はグアム島の戦いで玉砕した亀井凱夫大佐の御先祖ではなかろうか。光秀・利三の本筋とは別に目が引き付けられた。本能寺の変に至る原因を光秀が家老として召し抱えた美濃の豪傑・斎藤利三の存在に見る仮説を展開する作品。彼が血縁を活かし光秀と取り組んだ織田家に対する土佐長曾我部家の取次任務が信長の対四国政策転換で行き詰まって生じた軋轢とそもそもの光秀への仕官における旧主・稲葉一鉄との2020/02/22
niwanoagata
18
なかなか面白かった。 一つ折檻問題について。フロイスがそれを知ることができたのは信孝経由で聞いたとあるが、それはそれならば可能である、と言うことであって、折檻問題を肯定するものではない。稲葉家譜についても、該当箇所直後にそれが本能寺の変に直結したと書いてあり、これは創作感丸出しだがどうだろう。政春古兵断は初めて知ったが、これもやはり稲葉家譜と同じ系統の情報だと思う。また全て折檻の方法が違うのも不思議だ。実際にあったなら内容がバラバラに伝わることは無いように思うが。創作だからバラバラとも考えることも可能だ。2020/04/14
フランソワーズ
8
明智光秀の評伝というよりも、光秀プラス斎藤利三ということで、本能寺の変への道程により重きを置いて論述した新書。そしてプラスの方、斎藤利三のことがこれほど詳しく書かれているのが一番の収穫。光秀については、他の方面軍との相違していること、その異質さが彼の心理面に影響を及ぼしたというのには首肯させられました。2021/10/12
紫
8
『麒麟が来る』放送に合わせて刊行された「本能寺の変」検証本の一冊。三十年間にわたって「本能寺の変」の考証を続ける桐野作人先生ですが、本書の前半は近年の研究成果や新発見の史料をダイジェスト的に整理した上での明智光秀の前半生。後半は「本能寺の変」の検証ですが、以前の著書では本命視だった「四国問題」はかなり後退した感じでして、重臣斎藤利三の処遇に関する「折檻事件」が直接の原因になったという解釈であります。「本能寺の変」の動機探しが、一周まわって、怨恨説に戻ってきたというところでしょうか。星4つ。2021/02/24
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