内容説明
シェイクスピアのテキストには同じ作品でもいくつか別ヴァージョンのある場合がある。死後に出版されたフォリオ(F)と呼ばれる全集版のものと、生前に出版されたクォート(Q)と呼ばれるもので、一般に知られているのはその両者から合成された本文である。従来はF・Qを合成し完全なテキストにする考え方が一般的であった。が、それぞれに独立した別のテキストと見なすべきではないか、という考え方が浮上してきた。確かにFとQには興味深い差異が見受けられる。本書は、その違いを日本語で一目で区別したい、という思いから手掛けたものである。