感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸巻
16
長年に渡って紛争を続けている二国間の国境【ブラッドライン】で世界的スター歌手Mが射殺体で発見される。平和を願い世界中から愛されていたMは何故そんな場所で殺されたのか、、、そんなMの事件の報道を聞いた世界各地の年齢も人種も違う人たちの視点で物語は進む。連作短編。とても読みやすい文章で各章の主人公となる人間の感情や措かれた環境にも入っていきやすく面白かった。200頁というのも丁度良いと思う。Mの平和に対する想いは強く伝わってきたがラストの真相が呆気なくて勿体ない気がする。2019/10/30
カラシニコフ
13
世界は一瞬、平和になった。 ★★★★☆2019/05/10
toshi
10
タイトルから「血筋」の物語かと思っていたら、「ブラッドライン」とは隣国との戦争で互いに殺した相手をその境に並べたことから名付けられた「国境線」のことだった。その特異な国境線、ブラッドラインで世界的な大スターのMが銃撃されるところから物語が始まる。ブラッドラインを挟むアラルスタン共和国とラザン独立国、そしてアメリカ、ロシア、日本、ニューカレドニアでMについて立体的に語られていくけれど、とりとめの無い話が続いて、いったい何が言いたいのか段々分からなくなっていく。Mの死の真相を探る物語かと思っていたのに・(→)2018/05/25
surf
0
戦争をそれぞれの視点で描いたとき、日本の関わり方は蚊帳の外だ。すべての出来事が当事者でなければわかり得ない、心底を描いている。日常の情報は本当はどれが正しいのかわからない。何が正しいことなのか、考えさせられる一冊。読むべき本。図書館の本。2019/11/03