内容説明
『ヒロシマ日記』は、被爆当時のメモをもとに八月六日から九月三〇日までの五六日間の体験を日記風に記録したもので、逓信医学協会発行の機関誌『逓信医学』第二巻第一号~第四号(昭和二五~二七年)に一二回にわたって連載された。これは英訳されて米国で大きな反響を呼び、のち独仏伊など一〇数カ国語に翻訳された。
目次
1 地上最悪の日
2 焦土の中の病舎
3 国亡びて山河あり
4 眠られぬ夜
5 恐怖は果てしなく
6 あの犬も原爆症
7 慢性原爆症患者
8 あらしのあと
著者等紹介
蜂谷道彦[ハチヤミチヒコ]
医師。明治36年(1903)~昭和55年(1980)4月13日。岡山県生まれ。昭和4年(1929)岡山医科大学卒業、その後稲田内科で研究。医学博士。岡山医科大学講師、広島逓信局逓信医。17年広島逓信病院長。20年8月6日広島市白島町の自宅で被爆し、全身に傷を負ったが、病院に駆けつけ、負傷者の治療と病院の管理に専念。原爆症に関する世界最初の報告といわれる「原子爆弾と原子爆弾症」を『産業経済新聞』(昭和20年9月11日)に発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆずこまめ
2
被爆当日の市内の様子、火傷や怪我に苦しむ人達、外傷はないのに(当時としては)なぜか亡くなっていく人達など被爆直後の日常生活。良くも悪くも死に慣れていく姿が印象に残った。2024/02/14
三色かじ香
2
原爆の体験をお医者さん目線で読んだのは初めてでした。思ってたよりは当時から情報伝達が進んでいると感じました。手探りながら、原爆症に気づいていく過程が印象的でした。2020/08/29
mimm
2
広島在住の、官の病院院長による原爆投下当日より9月30日まで、56日間の体験を日記風に記した記録。 民でなく、またお偉い立場なので、他の文献と多少視線は異なると感じたものの、貴重な記録を現在読ませてくれることに感謝する一冊です。 …上がこれじゃ、下は本当に大変だったんだろうなぁ。2013/07/23
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