出版社内容情報
朱子は孔子をいかに読んだか。私たちは朱子をいかに読むべきか。天地の理の中で学び、生きるとはいかなることか――これが朱子学だ!
中国、朝鮮そして日本においても支配的な思想だった朱子学。「性即理説」「理気二元論」などのキーワードは語られますが、その哲学的な核心を、平易に解説することは、十分になされてきませんでした。本書は、前提となる専門知識なしでわかるように、「学とは」「性とは」「理とは」……と、基本的なところから、朱子学という学問の核心に読者を誘います。
内容説明
朱熹は孔子をはじめとする先覚をいかに読み、何を考えたのか。核心となるテキストを、わかりやすく、かつ、徹底的に読み、朱子学の根本へと誘う。
目次
第1章 「学」について
第2章 「性」について
第3章 「理」について
第4章 「理」について(続き)
第5章 「心」について
第6章 「善」について
著者等紹介
木下鉄矢[キノシタテツヤ]
1950年、兵庫県に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。京都大学助手、岡山大学教授、総合地球環境学研究所教授を歴任。専攻は、中国思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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isao_key
4
学、性、理、心、善について解き明かし、朱子学の本質に迫ろうとする本。朱子学の基底をなすテーマは「人の性はみな善である」。この事実に気づき理解することが必要。ではその善とは何か。『孟子』公孫丑上篇「四端」引用して、人には生得的に他社のいのちが危難にさらされているのを見ると、とっさに、自然に怵惕し惻隠するという心理機構があると述べ、この心の感応作用を現す心理機構が「仁」であり「性」であると朱熹は注解しているという。他者のいのちを救う「化育」の働きを人は「性」として受け継いでおり、これこそが「性は善」だとある。2014/11/03
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
0
図書館にて借る2015/08/30
飛燕
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朱子の思想は終始一貫していたわけではないからむりに読んではいけないとか、「格物」の「物」は「モノ」ではなく「事コト」と読むべきなのに多くの学者が誤解している、とか。2013/12/31
hika
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「漢語」なる思考フォーマットの堅牢さと相対化からみえる「学」の奥深さ2013/12/17