目次
この子を残して
摂理
遺産
父母
孤児
微笑
真実
第一のおきて
空の鳥
神の力と人の力〔ほか〕
著者等紹介
永井隆[ナガイタカシ]
医学者。明治41年(1908)2月3日~昭和26年(1951)5月1日。島根県松江市生まれ。幼年時代を父が医院を開業していた島根県飯石郡飯石村でおくる。松江中学校、松江高等学校卒業後、長崎医科大学(長崎大学医学部の前身)入学。昭和7年(1932)同大学卒業、助手。8年見習医官、満州事変に従軍。昭和9年長崎医科大学物理的療法科副手。同年6月受洗、霊名パウロ。結婚。12年陸軍軍医中尉、同年8月~15年2月日中戦争に動員される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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稲岡慶郎の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
98
原爆症に苦しみながら、自分亡きあと戦災孤児になってしまう我が子への思いを綴った本。赤裸々すぎるその言葉は、ときに読んでいることが辛くなる。施設職員への罵詈雑言も、激しく人に向けられる泣き言さえも、受け止めねばなるまい。その後を生きる私たちにはその義務がある。「一分でも一秒でも死期を遅らしていただいて、この子のさみしがる時間を縮めてやらねばならぬ」。子らのために簡単に死ぬわけにいかないと祈る親の命を、簡単に奪おうとした人間の、その想像力のなさを私は憎む。2018/08/11
かおりんご
34
長崎に行ったなら永井博士でしょう?ということで読んだ。さすが、カトリック教徒という内容。我が子宛のメッセージで、宗教色が強く、くどくどと神の愛や戦争孤児に対する所感が綴られている。思っていたのとは違って、ちょっと残念。2016/09/08
大先生
11
長崎で被爆した医学者の本です。原爆で妻を亡くし、自らも被爆していながら、幼子2人を育てつつ、倒れるまで放射線医学の研究・講義を続けた方のようです。また、熱心なクリスチャンで、内容の大半は信仰に関するものとなっています。例えば「人生の真の目的は天主を知り、天主を愛し、天主に仕えて、ついに天国の幸福を得ることである」と。「原子爆弾によって私の正しい道をはばんでいた邪魔が取り除かれ、私は真の幸福を味わうことができるようになった」と書かれている部分まであって正直驚きました。2024/10/20
赤とんぼ
7
読んだのはこちらの本でした。先ほどはうまく探せなかった…。この表紙絵、カザルスの「鳥の歌」に感動した画家が、原爆の犠牲者たちが取りとなって甦るイメージから描かれたのだそうだ。表紙は「沈黙する鳥たち」裏表紙は「羽ばたく鳥たち」2020/11/28
おちゃめmama
1
信仰の力はすごい。原爆被害者となり起き上がることさえできない状態にありながらこの強さはまさに信仰の力以外にはない。私はキリスト教徒ではないが心を打たれた作品であった。子どものの誠一、茅乃の側の作品も読んでみたくなった。2012/06/27