出版社内容情報
竹久夢二の6つの詩からなる組曲。大きな災厄の悲しみや怒りから、徐々に明るみを帯び希望を見出していく流れが全体を形作る。
女声合唱団アンサンブルキアーラにより委嘱、初演された作品(指揮=伊東恵司)。竹久夢二の6つの詩からなる全5曲の組曲。「その日から止まったままで動かない…」という印象的な一節で始まる第1曲の詩「動かぬもの」「再生」は、夢二が関東大震災の衝撃を受けて書いたものとされる。大きな災厄の悲しみや怒りから、徐々に明るみを帯び希望を見出していく流れが組曲の全体を形作る。竹久夢二は美人画の画家として広く知られ大正ロマンを象徴する人物だが、北川氏の音楽は美しい旋律や和声を響かせながら華美でありすぎず、この独特のロマンチシズムを湛えている。組曲の最後「春遠からじ。」という一節は、シンプルなカデンツが用いられ、余韻とともに、静かに感動的に組曲を締めくくる。
[曲目]
?T 動かぬもの―再生
?U 月日
?V 花のゆくえ
?W なぎさ
?X 冬来りなば春遠からじ
【著者紹介】
詩:画家・詩人。本名、茂次郎。岡山県生まれ。挿絵画家として夢二式と称される女性像を創作し人気を博した。グラフィックデザインにもすぐれたものがある。代表作として画集に『長崎十二景』(1920)、『女十題』(1921)、『黄八丈』(1929)、詩集に『どんたく』、『夢のふるさと』、『青い小径』などがある。