出版社内容情報
中世ルネサンス音楽史や、日本キリシタン音楽史研究の第一人者でもある皆川達夫氏が、天に召されてから3年が経つ。コロナ禍がなければ、皆川氏とゆかりのある音楽家たちが集まり、荘厳な式典でお別れができたことだろう。それが叶わなかった人たちの皆川氏への想いが、今回追悼文集という形で一冊の本にまとめられた。
皆川氏の学者としての優れた功績が紹介されるだけでなく、氏の魅力的な素顔が、60名の親交のあった関係者の回想から炙り出されている。また、文章だけでなく貴重な写真(氏が氷川丸で渡米する際のショットや、華麗にスキーで滑走するカット等)や、資料(隠れキリシタンのオラショ《ぐるりよざ》の原曲譜)なども収載されていることから、資料的にも価値の高いものになっている。まさに“皆川ワールド”の根幹に迫る内容となっている。
内容説明
歌うよろこび、聴くたのしみ、音楽の宇宙を伝えた皆川達夫先生。親交のあった60人による回想録。
目次
1 Qui bene serit,bene metet 仰げば尊し
2 Musica est scientia 音楽は学である
3 Qui cantat,bis orat 歌う者は倍祈る
4 West meets East 西との出会い
5 Their sound is gone out その声は全地に及んだ
6 St.Paul’s will shine tonight 自由の学府
7 Deo Gratias 祈り