内容説明
日本軍国主義が香港を占領していた三年八ヵ月は香港人に戦争、困窮、飢え、逃亡の苦しみをいやと言うほど経験させ、人々に悲愴な記憶を残したが、本書は詳細な説明と図版資料でこの時期の不幸な歴史を描き出している。
目次
第1章 第二次大戦前の香港
第2章 十八日戦争
第3章 陥落後の香港
第4章 帰郷と逃亡
第5章 明日なき社会
第6章 人口と食糧
第7章 分区支配
第8章 敵後方の地下活動
第9章 慈善事業
第10章 教育、新聞、娯楽、余暇
第11章 再統治
第12章 占領下の傷痕をのりこえて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
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著者は、本業が弁護士である香港史の研究家。日英開戦直前の状況から、戦後の英国の復帰まで、大戦下の香港の状況を概観する本。大戦勃発後、ヨーロッパでドイツと戦っていたイギリスは遠い極東の香港まで手が回らず、防衛力はお寒い限り。その後迎えた香港攻防戦を現地では「十八日戦争」と呼んでいるらしい。戦前から、日中戦争を逃れる中国本土からの難民が殺到し、人口が急増していた香港の統治は日本軍にとって重荷で、強制的に難民を故郷に帰す政策が占領当初から始まる。又、占領政策の一環として設置された、香港内の行政区は戦後も存続した2025/02/18
てぬぐひ
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たまたま家にこの本があって今回香港に初めて行くこともあり、日本軍占領下について知っておかねばと読んでみた。 日本軍の直接統治で香港の民衆の生活についてはまったく重視してない感があり、植民地以下という感想。植民地でもたいがいな状況だったと思うが、東南アジアでの日本軍占領下はみなこんな感じか。 2023/10/19