内容説明
現代の法・政治思想では各人のアイデンティティの在り方を含めた「自己決定権」の重要性が声高に主張されているが、「“私”自身は一体何を求めているのか、何者になりたいか」を完全に分かっている人間はいない。文化的・技術的な複雑さがますます増大していく現代社会において、自らの置かれている状況を把握したうえで「自己」決定するという当たり前のことが困難になっている。ポストモダン系フェミニズム法哲学の旗手コーネルが、「中絶」「ポルノグラフィ」「セクシュアル・ハラスメント」の三大テーマに焦点を当てながら、「イマジナリーな領域への権利」保護という視点から、ポスト・リベラルな正義論の可能性を模索する。
目次
第1章 序論―共に生きること:心的空間、そして性的平等への要求(個体化のためのミニマルな条件の平等な保護;法的平等をめぐる競合する諸理論)
第2章 分断された自己とさまよえる子宮(身体的統合性と個体化のための社会的で象徴的な条件;中絶という文脈における投影と予期の意義 ほか)
第3章 ポルノグラフィの誘惑(ポルノグラフィ再定義;ポルノ・シーンを変える ほか)
第4章 セクシュアル・ハラスメント―性的自由と女の欲望の解放(なぜ、ロールズとの同盟か?―ロールズの『政治的リベラリズム』における道理性と客観性;対価型ハラスメントを再定義する ほか)
結論 なぜ法なのか?
著者等紹介
コーネル,ドゥルシラ[コーネル,ドゥルシラ][Cornell,Drucilla]
ラトガース大学教授。法哲学・政治学・女性学
仲正昌樹[ナカマサマサキ]
金沢大学法学部教授。政治思想史・社会哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ヒナコ
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