内容説明
「川端文学の貴重な道標」「川端の才華の万華鏡」とも評される『掌の小説』35作品をとり上げ、新世紀における読解の新たな指針をうち立てる論集。川端文学研究会創立三十周年記念論集。
目次
全文が散文詩
掌の小説について
「掌の小説」論―基本的性格をめぐる試論
展開可能性としての「男と女」―「男と女と荷車」論
「弱き器」
「火に行く彼女」論
「白い花」論―可能性としてのコード
「死顔の出来事」
「硝子」
「滑り岩」論〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
4
『掌タナゴコロの小説』についての論議35篇/大正12年1月創刊された文藝春秋は、「スピード時代」とて短い文章をモットーとした。川端はそれとは別に今昔物語などの説話の象徴性に注目し、短くても完結した、シリーズや長編の一部でない創作を大正10年から試みていた。1〜14枚まで、昭和十年までで123篇(新潮文庫)。のちにも30篇ほど昭和47までに書かれた。推理小説のようなオチはないが、紀行文や随筆ではなく小説として成立する諸篇/末尾の一行で性格が一変するような意外性の展開は多い。夢や化身、前世来世といった超現実も2020/10/30
sloth_life
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要所を熟読 「結晶」2019/12/06
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