出版社内容情報
転換点たる「もののけ姫」以降、時代の困難と「大人」としての責任を作品の
中で問い続けた宮崎駿。その「子ども」としての新海誠、庵野秀明、細田守ら
新世代の作家の作品群を横断的に批評し、現代日本における「成熟」を問う。
目次
1 大人になるための宮崎駿―『もののけ姫』と『耳をすませば』(「大人の仕事」としての『もののけ姫』;『耳をすませば』に背中を押されれば;『もののけ姫』の成熟と喪失)
2 はじまりの宮崎駿―『風立ちぬ』論(宮崎駿にとって「最後」とは何か;歴史の息吹を生々しく甦らせる;自画像としてのアニメーション―『紅の豚』から『風立ちぬ』へ ほか)
3 オトナコドモたちの成熟と喪失―庵野秀明/新海誠/細田守(大人として、君たちはどう生きるか;『シン・エヴァンゲリオン』とゲンドウの問題;社会変革的な女性としての葛城ミサト ほか)
著者等紹介
杉田俊介[スギタシュンスケ]
1975年神奈川県生まれ。批評家。法政大学大学院人文科学研究科修士課程修了。『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院)でデビュー後、さまざまな媒体で文芸・アニメ・マンガと労働・貧困問題、障害者福祉を架橋する批評を執筆し評価を得る。すばるクリティーク賞選考委員、『対抗言論』編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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服部
5
論自体は面白いのに自分の感情やら感想やらが入り込みすぎてたまに興醒めしてしまった。もう少し冷静に論じれないものだろうか。2022/05/08
スプリント
4
物事を深読みして文化論を展開するのは快感が伴うことなんだろうな。と感じさせる文章でした。2021/09/22
🐰
1
以下、主観的まとめ。オトナコドモと揶揄されるオタクはどう生きるべきか。社会変革的な主体としての新しい観客となれ。そのためには子どもたちに「真のリベラル」としての背中を見せつけ真のリベラルを教育し、環境汚染の解決をSDGSsに依らないラディカルな方法を模索し次世代に渡すのだ……現在ネットを通じれば社会運動にコミットするのは容易いのだから。それらが難しくとも、少なくとも社会変革的であろうとするべきだ。2021/10/13
1998
1
おもしろかったけど、私は画面の分析がある方が好き。この本は全体的に監督の発言に依拠しつつ論を進めていく感じだった。細かいことだけど、サンとアシタカの関係が恋でも友情でもないのなら一目惚れという言葉は避けるべきでは?恋愛の文脈で頻繁に使われる言葉だし。「ピュアなもの」ねえ……2021/09/03