無能力批評―労働と生存のエチカ

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  • サイズ B6判/ページ数 351p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784272430758
  • NDC分類 366.8
  • Cコード C0036

出版社内容情報

当事者による鮮烈なフリーター論として高い評価を受けた『フリーターにとって「自由」とは何か』から2年。労働から障害学・生命倫理へと思索の枠組みを広げ、無二の存在感を示す著者の第2作

内容説明

『フリーターにとって「自由」とは何か』を超え、さらに深化した思索の鉱床。労働・障害・批評の交錯する地平に、たちあらわれる仮借なき生の哲学。

目次

1(フリーターリブのために―労働・自由・生命;誰に赤木智弘氏をひっぱたけるのか?―「「丸山眞男」をひっぱたきたい 三一歳フリーター。希望は、戦争。」に応答する)
2(ニート/バートルビー―生まれてこなかったことを夢みるイエス;無能ノート;自立と倫理 ほか)
3(ALS・自然死・家族介護―いちヘルパーの小規模な日常から;「男性弱者」と内なるモテ幻想―メンズリブノート;東浩紀『ゲーム的リアリズムの誕生』のクリティカル・ポイント ほか)

著者等紹介

杉田俊介[スギタシュンスケ]
1975年生まれ。川崎市在住。学生時代は主に日本の文芸批評を学ぶ。その後アルバイトを転々とし、2002年より介護労働者。現在、障害者サポートNPO法人職員。有限責任事業組合フリーターズフリー組合員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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白義

10
人間には平等に、無限に可能性がある、などというのは間違いかつ時に暴力的で、実際は恵まれた者と無能者の間には深遠な溝がある。本書はあくまでも無能者の側から、倫理や社会を問い直すゼロ年代の思想でも最良の成果のひとつ。無能だから大人しく黙るのではなく、無能であることの固有性、(無)可能性から問いの空間を切り開き闘う上質の論考ばかり。ジョジョ論、寄生獣論、バートルビー論は必読。思想的な評論でありながら作品を思想に従属させない素晴らしい評論だった2012/10/25

miyaina

3
片側に転がり落ちてしまえばどんなにか楽なのにと細い稜線をたどるような思考の足取り。2011/01/31

まつゆう

2
こういうタイプの本を手放しで喜べる感じでもなくなってきているのは自分に余裕がなくなっていることの裏返しなのだろうか(赤城論文が単純なのはそうだが、それゆえに良いとも思ってしまうくらいには何かを渇望している)。が、それはともかく、自分の違和感を基点に(批評としてはやや荒い気もするが)、違う地点へと導く思考の過程を示していて素晴らしい。2016/07/31

よこづな

0
赤木論文への応答、バートルビー論など。「尊厳さえ保たれるならコンビニのバイトのままで構わない」って俺も言ってた。2009/08/26

v&b

0
まだ粗いが、ゼロ年代を象徴する書き手。赤木智弘への手紙では落涙した。2008/10/01

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