身体化された心―仏教思想からのエナクティブ・アプローチ

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身体化された心―仏教思想からのエナクティブ・アプローチ

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  • サイズ B6判/ページ数 405p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784875023548
  • NDC分類 141.5
  • Cコード C1010

出版社内容情報

■目次より
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序論 第1部 出発の根拠
 第1章 根元的な循環性:反省する科学者の心
      既定条件 / 認知科学とは何か? / 循環する認知科学
 第2章 「人間経験」とは何か
      科学と現象学的な伝統 / 現象学の瓦解 / 非西洋的な哲学伝統
      三昧(マインドフルネス)/覚(アウェアネス)の方法を用いた経験の検討
      経験の分析における反省の役割 / 実験と経験分析

第2部 認知主義の多様性
 第3章 記号:認知主義の仮説
      不確かな基礎 / 認知主義仮説の定義 / 認知主義の現れ
      認知主義と人間経験 / 経験と計算する心
 第4章 嵐の私(I:アイ)
      「自己」の意味 / 五蘊のなかに自己を捜すこと
       色蘊:身体
       受蘊:感受作用
       想蘊:表象
       行蘊:形成作用
       識蘊:意識
      刹那と脳 / 自己のない五蘊

第3部 創発の多様性
 第5章 創発特性とコネクショニズム
      自己組織化:ある選択肢の根源 / コネクショニストの戦略
      創発と自己組織化 / 今日のコネクショニズム / ニューロンの創発
      記号の退場 / 記号と創発を関連づけること
 第6章 自己のない心
      心の社会 / 対象関係論の社会 / 縁起(共依存的な生起)
      ダルマ分析 / 三昧と自由
      自己のない心:分割されたエージェント
      世界に留意(マインド)すること

第4部 中道へのステップ
 第7章 デカルト主義の不安
      不満の感覚 / 表象再考 / デカルト主義の不安 / 中道へのステップ
 第8章 行為からの産出:身体としてある認知
      常識の回復 / 自己組織化の再検討 / ケーススタディとしての色
      身体としてある行為としての認知 / 自然選択への退却
 第9章 進化の道程とナチュラル・ドリフト
      適応主義:生物変移の考え方 / 様々なメカニズム / 進化:生態学と発生の同調傾向
      ナチュラル・ドリフトとしての進化から学ぶこと / エナクティブ・アプローチの定義
      エナクティブ認知科学

第5部 根拠なき世界
 第10章 中道
      無根拠性の喚起 / ナーガールジュナと中観派の伝統
      二つの真理 / 現代思想における無根拠性
 第11章 踏みしめつつ道をつくること
      循環している科学と経験 / ニヒリズムと惑星思考の必要性 / 西谷啓治
      倫理と人間の変容

■著者紹介

内容説明

世界は、われわれから独立して存在するのか?認知は、記号的表象の計算にすぎないのか?東洋仏教思想の伝統である「三昧/覚瞑想」を手法とし、従来の認知科学の前提に根本的な疑問を投げかけ、認知を「身体としてある行為」と見るエナクティブ(行動化)・アプローチへと至る。「オートポイエーシス」理論で名をはせたヴァレラ自らが「最も重要な著書」と語る新たな世界認識への道を開く知的興奮の書。

目次

第1部 出発の根拠
第2部 認知主義の多様性
第3部 創発の多様性
第4部 中道へのステップ
第5部 根拠なき世界

著者等紹介

ヴァレラ,フランシスコ[ヴァレラ,フランシスコ][Varela,Francisco J.]
フランス国立科学研究センター研究部長。1946年、チリに生まれる。軍事クーデターによるアジェンデ社会主義政権の崩壊後、政治的弾圧を逃れて亡命を余儀なくされる。2001年5月、パリにて死去

トンプソン,エヴァン[トンプソン,エヴァン][Thompson,Evan]
カナダ・ヨーク大学の哲学科助教授。専門は認知科学の哲学的基礎の研究

ロッシュ,エレノア[ロッシュ,エレノア][Rosch,Eleanor]
アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校の心理学教授

田中靖夫[タナカヤスオ]
1981年、東京大学薬学院大学院・生命薬学修士課程修了。製薬業界に七年ほど勤務した後、経営コンサルタント会社で医薬・医療産業分野における事業・研究開発戦略の立案を担当
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gokkey

15
エナクティブアプローチとは端的に言えばオートポイエーシスによるシステム論的視点から心の成立を理解する事。そのシステムは感覚→行為→新たな環境→感覚→…という円環型の構造を持ち、主観的な表象主義と外在的なアフォーダンス理論の中道を行く。本書の射程は幅広く、個体発生に見られる神経系のモジュール構造間の新たな連結による系統発生的な成立過程まで考察は及ぶ。後半の原始仏教思想との関連性(類似性)は現時点で単なるアナロジー以外の何者でもなく、そこから導かれる倫理観と本システムの評価を混同してしまう危険性を孕む。2024/02/11

mittsko

7
面白い。難解長文だが読むに値する ⇒ ひと昔前なら「ニューサイエンス」(和製英語)のジャンルに入れられたはずの一冊。実際、主著者はその筋で超有名なヴァレラ。91年刊の原著は70年代に着手され80年代に進展した研究にもとづく。そして邦訳は当然、工作舎というわけだ(01年刊)。際物あつかいされもしたヴァレラ… 認知科学や仏教研究、心の哲学や情報論、新しい実在論のその後の進展は、彼の思索にかなりの追い風となっているようにも思われるが、果たしてどうか。それを確かめるためだけでも、読む価値は大。意外といけますよ2017/12/12

odmy

5
認知科学の研究が進むと、多くの人々が信じきっている「自己」というものには絶対的根拠が何もないことが明らかになってくる。しかし、そうした無根拠性のために人々がニヒリズムに陥ることを防ぐ方法を認知科学者は何も教えてくれない。その一方で、同じように自己の無根拠性を瞑想修行から明らかにした仏教では、「空(くう)」は慈悲で満たされると説くことでニヒリズムを回避している。認知科学と仏教をつなげる議論は一見突飛だけど、超有能なAIの登場を前に人間の根拠がぐらついている現在では、意外とリアリティのある議論に思える。2023/11/17

Amano Ryota

4
ぼくと世界とは互いに独立した存在ではなく、ぼくと世界の干渉、それこそが新たな世界とぼくの心を創造し続けている。ぼくの世界は、その往来そのものだ、ということだと思う。認知科学と仏教思想がもたらす世界の様相、面白いのだけど、ぼくの能力が内容に届いていない。「認知が所与の心による所与の世界の表象ではなく、むしろ世界の存在体が演じる様々な行為の歴史に基づいて世界と心を行為から産出すること(enactment)とする、ますます高まる確信を強調するために、『エナクティブ』(enactive)という用語を提唱したい。」2016/11/03

かっさん

3
身体化された心 #読了 #認知科学 の本。認知とは何かを考える上で、 #西洋哲学 が落ちいった、 #ニヒリズム から脱するための解決を目指した一冊。西洋哲学、AI、生物学など多方面から認知科学を分析。その上で仏教思想での直接経験も包括することで、次のステージにいけるのでは?という本。 https://t.co/c3GgqvzHIB2022/01/26

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