内容説明
文学と絵画はどう関わり合ったのか。ラファエル前派からアカデミー派にいたる英国の唯美主義の動向を、カラー口絵8点を付して多角的に解明する刺激的な論集。
目次
序にかえて―文学と絵画の唯美主義
第1章 顔/境界の彼方―D・G・ロセッティの無表情な美女たち
第2章 ウォルター・ペイターとエクフラーシス
第3章 バーン=ジョーンズとプルースト―乙女たちとさんざしのかげに
第4章 唯美主義絵画の位相―ハイ・アートとの関わりを手がかりに
著者等紹介
富士川義之[フジカワヨシユキ]
駒澤大学教授
加藤千晶[カトウチアキ]
東京外国語大学非常勤講師
松村伸一[マツムラシンイチ]
青山学院女子短期大学助教授
真屋和子[マヤカズコ]
慶應義塾大学非常勤講師
荒川裕子[アラカワユウコ]
法政大学助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きつね
11
ロセッティにおける顔の機能、ウォルター・ペイターのエクフラーシスへの情熱、プルースト作品とバーン=ジョーンズ作品の類似、イギリスのハイアート再興における唯美主義の功績、全四章。 ラスキンやモリス、ペイター、ラファエル前派や象徴主義などを広くとらえるキー概念としての唯美主義。 ペイターとラスキンの間の緊張関係はどう考えたらいいんだろう。どちらかを取り上げるともう一方を仮想敵に論じる流れになりがちな感。異教的=ギリシア的恍惚とキリスト教的倫理、というよりも、「個物」の特殊性の扱いや「印象」の扱いの違い?2014/01/07