出版社内容情報
帝をおさえた曹操は、都を許昌へ移した。強大な権力を手にした曹操の気がかりは、徐州の玄徳。ここには流軍の将となった呂布がころがりこんでいる。曹操は二人の仲をさこうと「二虎競食の計」、「駆虎呑狼の計」をしかける。帝の勅命で南陽へ出陣した玄徳は、張飛に留守を任せる。禁酒の誓いを破った張飛は、大失態をしでかす。
目次:
二虎競食の計/駆虎呑狼の計/裏切り/撤退/蛟竜/小覇王孫策
感想・レビュー
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まるほ
28
帝を擁し絶大な権力を手にした曹操。劉備と呂布の関係を裂くべく「二虎競食・駆虎呑狼の計」を仕掛ける。曹操の策略を疑いつつも勅令に従い、張飛に守備を任せて袁術の南陽に出陣する劉備。張飛の酒癖の悪さから曹豹の裏切りを招き、国を呂布に乗っ取られてしまう。流軍となった劉備は呂布のものに下る。▼孫堅亡き後、袁術の食客に甘んじていた孫策は玉璽と引換えに袁術より兵を借り受け、揚州の劉繇に対して挙兵する。▼江南の二賢張昭・張紘、敵将として太史慈が登場。2021/05/08
ユウユウ
20
なんで張飛を留守番させたかな。せめてお酒を城内からなくすくらいしとかないとダメだろう。。。玉璽ありましたね!2019/10/09
SIN EIM
15
【パワハラ、処刑連発男】で劉備からもいさめられるのが史実の方の張飛。特に兵卒や身分が下の者に対しての扱いがひどかった。三国志演義ではさらに粗暴に描かれて、酒乱も追加されたとの説がある。この手の物語は、講談家や酒場での盛り上がりに任せて、いろんな属性が付け足される傾向があったらしい。今のネットと同じく、尾ひれがつく傾向があった。三国志の偉丈夫が2メートル越えという、アジア人にはありえない身長なのは、話のたびに拡大解釈されて、その上単位計算の方法が無茶苦茶だったという説も。張飛もまた三国志演義の被害者である。2025/04/02
gtn
15
悲劇だが失笑。出兵の際、城を守ると申し出る張飛に、禁酒を厳命する劉備。だが、部下が勧める一杯が二杯となり、やがて甕ごと飲みだす。酩酊状態で文官を足蹴にし、恨みを持たれ、呂布に城を乗っ取られる。一杯で済まないところにシンパシーを感じる。2024/01/14
わたー
14
★★★★☆張飛の酒癖の悪さがまたもや取り返しのつかない事態を招く。あれだけ良くしてもらったのにあっさり裏切る呂布も呂布だが、人一倍呂布を警戒していたはずなのに大きなスキを見せる張飛も張飛だなと。2020/03/26